34日目 なじんでる ページ42
・Noside
食堂には手際良く食器洗いをするノーマンとレイ。
課題に取り組んでいる子供達。
そして、今日ここへやって来たシスター。
「なじんでるね」
「ああ、なじんでる。
発信器は勿論、「全員を連れ出す方法」も考えねぇとな」
「うん…」
「あの大人2人を出し抜くにしたって、単に目晦ましゃいいって問題じゃない」
「それね」
鬼へ通報させてはいけない。
なぜなら
「鬼は必ず近くにいる。財である家畜(僕ら)、まして“高級品”を放置して離れるわけがない」
＿＿ゆえに
「何よりマズいのは、鬼への通報」
脱獄初動であの化物に追われること。
その時点で、何人かは捕まってしまうだろう。
「阻止する方法は一つ。ママとシスターを＿＿」
突如やって来た、人の気配。
数秒の間、そこだけ時が止まったようだった。
「ノーマンとレイね」
「「…はい」」
「テスト、満点(フルスコア)なんですってね」
「「…はい」」
双方の温度差が酷い。
「すごいわ。これから仲良くしましょう」
強制的に握手をさせられた2人。
((………))
何も言葉が出なかった。
シスターは子供達の方へ戻っていく。
「聞かれたか？」
「いや、大丈夫。ちゃんと黙った」
若干、食い気味で答えたノーマン。
「それよりレイ、ひょっとしてママ……」
・
・
その一部始終を、入口からこっそり見ていたのはA。
タオルを持っていくなどと言い、エマに仕事を擦り付けた…いや、エマを信じて任せた彼女は、時間潰しも兼ねて、シスターの観察をしていた。
まだ11歳 好奇心旺盛ー。そういう事にしとこ。
Aの行動は、11歳であることを武器にした合理的な判断ともとれる。
実際、任務を果たし、今からエマ達のところへ帰る途中なのだからサボりとは違う。
情報はいつだって多く欲しい。
Aは、頭の良さを最大限に活かして、日々の生活を送っているようだ。
結論:仕事中、と見せかけて情報収集。
しかし息抜きも兼ねて。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 257人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もえもえ - 質問いいですか？主人公はきれい？それともかわいい？どっちですか〜 (2022年7月16日 21時) (
レス) @page3 id: 050672ea7b (このIDを非表示/違反報告)
水月(プロフ) - rとkhさん» 慌、ありがとうございます。つぶやく鳥さんをご覧になられたのでしょうか？のんびりですが作品と向き合っていきたいと思います。 (2018年12月15日 13時) (レス) id: 1bedc7980e (このIDを非表示/違反報告)
rとkh - 同い年だと親近感?が湧きますね(笑) (2018年12月15日 13時) (レス) id: 54528e0c72 (このIDを非表示/違反報告)
rとkh - 面白いです。頑張ってください！ (2018年12月15日 13時) (レス) id: 54528e0c72 (このIDを非表示/違反報告)
愛子＊ビー玉(プロフ) - 水月さん» 命かけてますしね(笑)ツイッターフォローさせていただきました。作品の方、応援してます！私たちも、フルスコアめざして(無理だけど(笑))頑張りましょう！(笑) (2018年6月20日 22時) (レス) id: 1d139961bb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：水月 | 作成日時：2018年4月3日 0時
