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『ここか……でかー！』
テンションが上がってきたーー！！！
そっと中に入ると、緑の香りが鼻に飛び込んできた。
なんかよくわからないけどでっかい木、色とりどりの花！
植物園すげ〜！でっかい植物園があるこの学園もすげ〜！！
……と、上ばかり見て歩いていた。
すると、足元の何かに引っかかる。
木の根っこ！？いや、なんかぐにゅってしたような、いやいやそれよりも顔面からつっこむ！！！
『ふぎゃッ』
「ア゛ァ……？」
ずざーーっと土の上を滑る。新品なんだけどこの制服……嫌だよ洗濯……。
ちなみに、とっさに受け身をとったから怪我はなかった。受け身すごい。
……ちょっと待って、なんか今声しなかった？
またゴースト！？もうやなんだけど！！！！！
『ｱｯ、あ、あ〜〜〜〜……？』
ぎぎぎぎ、と首を回すと。
そこに居たのは……
ケモ耳の生えた大男だった。
『アッッ人お！？？！』
「テメェ……よくも蹴っ飛ばしてくれたな……」
その人はグルル、と威嚇みたいに喉を鳴らして、不快そうに見上げてきた。
あ、寝たままなんだ……。
『ごっ、ごめんなさい、わざとじゃなくてっ、』
その人はじーっと私のことを見つめると、そっぽを向いてしまった。
「ッチ、弱そうな草食動物だな……。っつーかお前、どこの寮生だ？」
『えーと、どこの寮生でもないって言うか、ていうか人の事聞くよりも先に名乗るのが礼儀じゃないんですか……？』
「……ハア？？俺のこと知らねえのか？」
ありえない、という顔で私を見る。いや、知らんがな。
そんな有名人だったの？
『え、存じ上げないです……』
「……。そうかよ」
その人は面倒くさそうに頭をかいて、ニヤッと笑った。
「まあ、サボりってとこかあ？見たことない顔だが」
『あ、色々あって……ええと、お名前お聞きしても？わたっ……僕、Aって言います』
「レオナ・キングスカラー。夕焼けの草原の第二王子だ。」
ドヤ！と教えられたが……第二王子。ふーん。そうなの？どれくらい偉いの？
ぶっちゃけよく分からん。
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作者名：ゆざわ | 作成日時：2024年1月11日 22時
