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「……い。おー……。…………おーい!聞こえてますか?」
『あっ。あ、すみません、どうしたら帰れるのかなって……思って……』
「とにかく、闇の鏡にないと言われてしまった以上この世界にはないのでしょう。……仕方がありません、とりあえずこの学園の生徒として迎え入れます。こんな無一文の子供を放っておけないですからね」
『……あの、ここって学校なんですか』
ずっと気になっていたことを尋ねてみる。
仮面の人はびっくりした顔をして、やっぱり、というふうに頷いた。
「なるほど。やはりこの世界の住人ではなさそうですね……。なおさら、ここで保護する必要がある。……まあ私、優しいので!衣食住についてはご心配なく。この学園長が保証します!」
……ふむふむ?まず私、この人の名前も知らないけど。
『あ、ありがとうございます……?えっと、私、Aって言います、あの、16歳……です。』
「ああ、ご挨拶がまだでしたね。私は理事長よりこの学園を預かる校長。ディア・クロウリーと申します」
でぃあくろうりー。日本人じゃなさそうだと思ってたけど、一体どこの国の人なんだろう。
「そして……この学園に入学できるのは『闇の鏡』に優秀な魔法士の資質を認められた者のみ。
選ばれし者は、『扉』を使って世界中からこの学園へ呼び寄せられる。」
『扉……?私、そんなの使ってないです』
「……はずなんですけどね、まああなたは特別扱いです。たしか……どこかにオンボロ…………ンン゛ッ、誰も使っていない寮がありまして。そこを貸しましょう」
あとは〜制服と、最低限の家具と……
ぽつぽつ独り言をいいながら、どこかへ向かうクロウリーについて行く。
いや、学園長って言った方がいいのか。
「あ〜、なんて優しいんでしょう、私!!」
……前言撤回、やっぱ呼び捨てでいい。
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作者名:ゆざわ | 作成日時:2024年1月11日 22時