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10(蜘蛛side) ページ10

スタークさんに呼び出されアベンジャーズ基地へとやってきた僕は、開けた広い部屋へと案内された。部屋にはすでにスタークさんにキャプテン・アメリカにその他諸々の人が集まっていて、どうやら僕が最後の一人だったみたいでスタークさんは「少し遅いんじゃないか?」と僕に笑いかけた。

「ここ遠くって」

これは本当。嘘なんかじゃない。わざわざ学校から来た事もあり、鞄を背負ったままの僕は部屋の中心部へと足を向けると、部屋の奥にガラスの壁を隔ててベッドが置いてあることに気づいた。今回呼び出された部屋は会議室の一つだったと思っていたが、――と僕があまりにもそちらを見ていたからなのかスタークさんが「今回君を呼んだのはこれを説明したくてな」と静かに言って、視線をそちらへと向けた。

「これ?」

不思議そうな顔をしながら数歩歩いた僕の背中を、ホークアイーーもといバートンさんがぽんと叩いた。

「もっと近づいた方がわかりやすいぞ」

なるほど、もっと近付けということか。僕は興味心半分、恐怖心半分で恐る恐るといった様子でガラスの壁へと近付いて透明な壁ごしにベッドを覗き込むと僕と同じ年くらいの女の子が眠っていた。しかも、なんていうか、とびきり可愛い女の子が。

「え、どういうこと?」

「頭を見てみろ」

スタークさんの言葉に視線を頭の方にやれば、頭にひょこりと犬みたいな、猫みたいな耳がついていることに気付く。一瞬コスプレ?とも思ったけれど、時折ピクリと動く様子を見ると付け耳ってわけじゃあなさそうだ。あれ、でもなんで耳が?

「見てのとおり、彼女は人間じゃない。」

「あー……えーと、僕みたいな能力者ではなくて?」

「恐らくな」

「分からないってこと?」

「あぁ、聞く前に眠りこけて今日で三日だ」

「み、三日………。」

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---(プロフ) - candyさん» candey様初めまして。コメントありがとうございます。お褒め頂けるのはやはり嬉しいですね、マーベル初心者ということもあり設定などがオリジナル感強めですが、ぜひ楽しんでいただけますと幸いです。 (2021年1月23日 0時) (レス) id: 72a7a46fdc (このIDを非表示/違反報告)
candy(プロフ) - 初めまして!最近アベンジャーズの新しい小説がなかったので書いて頂けてとっても嬉しいです。読みやすくてすらすら読めてしまうのに作品の世界観に引き込まれて更新されるのが毎日の楽しみになっています!とはいえ無理はなさらず更新頑張ってください! (2021年1月22日 0時) (レス) id: c8c684909c (このIDを非表示/違反報告)
---(プロフ) - vannyさん» 初めまして。無計画に始めたものですが、vanny様から素敵な感想を頂き本当に嬉しく思います。誰落ちにするか等全く決まってないのですが、ご期待に添えるよう頑張りたいと思います…! (2021年1月20日 22時) (レス) id: 72a7a46fdc (このIDを非表示/違反報告)
vanny(プロフ) - 初めまして!文章構成がとても綺麗で尊敬します……!お話もこの先の展開が気になって仕方ありません!毎日更新楽しみに待ってます。頑張ってください!長文失礼致しました。 (2021年1月19日 15時) (レス) id: db198bbf02 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:--- | 作成日時:2021年1月4日 23時

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