あと15日�� ページ7
「というわけで、今日の授業は急遽ホームルームに変更！」
ジソン先生の一言で、デフィと書記の女の子が前に出てきた。
――すっかり忘れてた。確か七月頃に白雪姫の劇をするってことが決まって、そこから先は何ひとつ進めていなかった。もう2週間前にまで迫っていたとは…。
「まず、このクラスに演劇部はいますか？」
落ち着いた様子でデフィが問いかける。誰ひとりとして手を挙げない。
「では、文芸部はいますか？」
教室は沈黙のままだった。
――だから何も進んでなかったのか…！普通は演劇をやるクラスには最低でも1人は演劇部か文芸部の人がいて、クラスをまとめたり台本を作ったりするんだけど、私たちの中には誰もその役割を果たせる人がいなかったのだ。
「…わかりました。じゃあ、僕が総監督と脚本を責任もって担当します」
半ばうんざりした口調でデフィがそう言うと、途端に教室が拍手喝采の渦に包まれた。
彼には申し訳ないけど、この中でみんなをまとめたりちゃんとした台本を作れるのは、デフィしかいないと思う…。彼もそれは分かっているようだ。
書記の子が黒板に『総監督・脚本』の枠を作り、綺麗な文字でデフィの名前を書く。
それを見届けてから、デフィはここからが大変だと言わんばかりに大きく息を吐いた。
「役者を決めていきます。まず、白雪姫と、あと相手の王子。それと小人7人と魔女が主な登場人物です。これらが決まったら、残った人たちを大道具、小道具、衣装、音響、照明の仕事に割り振っていきます。後からエキストラ等役者が必要になった場合は、僕が適当に裏方から選びます」
カツカツと白いチョークがデフィの言葉に合わせて職名を刻んでいく。
「A、どうする」
背中をつつかれて振り向くと、斜め後ろの席に座るウジンだった。
「音響か照明かなあ。楽そうだし」
「じゃあ俺もそれにしよ」
「ウジンは役者が向いてると思うよ。王子様とかぴったりじゃん」
本心からそう返すと、ウジンは馬鹿、と睨んでくる。
「うちには適任がいるだろ」
――ああ、ジフンかあ。それは確かに彼の言う通りなので、言い返せずに前に向き直った。
「いませんか？」
役者決めは、初っ端の白雪姫から行き詰まっていた。確かにこの雰囲気だと、やりたいと思っていても立候補するのは勇気がいるかもしれない。女子同士お互いに顔色を伺いながらも誰も手を挙げないまま。
「…しょうがないので、王子役にとばします」
その瞬間、クラスのほぼ全員の視線が、ジフンに集まった。
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加賀島京(プロフ) - ナギさん» コメントありがとうございます。あたたかいお言葉とても嬉しいです；；前回の更新から時間が経ってしまって申し訳ないです……。楽しみにしていただいているのにすみません！必ず完結はさせますので、これからも読んでいただければ嬉しいです。 (2019年5月9日 3時) (
レス) id: 8ab02f0b4e (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 久しぶりの投稿ですね！嬉しいです。ゆっくりでも全然構わないので完結まで持ってきていただけると嬉しいです……無理ない程度に頑張ってください！ (2019年3月31日 23時) (レス) id: b8f2817426 (このIDを非表示/違反報告)
ARMY - 明けましておめでとうございます！ワナワンも解散で、ほんとに悲しいTTワナワンのことも、忘れないし、加賀島京さんの、作品も、忘れません！今年も、更新楽しみにしてます！ (2019年1月3日 21時) (レス) id: ea329e26cd (このIDを非表示/違反報告)
加賀島京(プロフ) - ARMYさん» わかります、なんでもこなしてしまうデフィが本当に本当に好きで…(;_;) …ああ、そんなことを言っていただけるなんて…本当に嬉しいです…ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2019年1月1日 23時) (レス) id: 7b34f080ca (このIDを非表示/違反報告)
加賀島京(プロフ) - 空さん» ありがとうございます…！空さんの作品を読んでいると、私もヒョンソプを動かしたい…！と思って、つい登場させてしまいました(^^;面白いと言っていただけて本当に嬉しいです。あと、ゆらぎの中でセウンが登場したことに興奮してしまいました、、ありがとうございます、 (2019年1月1日 23時) (レス) id: 7b34f080ca (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2018年11月23日 0時
