あと15日 ページ6
あの日から約一週間が経ったけど、私の心配とは裏腹に何も起きなかった。
ジフンはいつも通りみんなからの人気者で、私もいつも通り平穏な日々を送っていた。
ウジンからは何があったのかしつこく聞かれたけれど、結局適当に誤魔化して納得させた。私目線では、ジフンは数多くの友人の中でも特にウジンに信頼を置いているようで、それはウジンも同じのようだったから。ジフンは裏の姿を本当に誰にも見せていないみたいだし、私が余計なことを言って二人の仲を気まずくさせるようなことはしたくなかった。
小さくため息をついて教室の時計に目をやると、三限の授業がちょうど始まる時間だった。チャイムが鳴り、立ち歩いていた生徒達が自分の席に戻っていく。
確か、次は現代文の授業だ。比較的寝る人の多い科目だけど、私のクラスは担任であり生徒から人気の高いユンジソン先生が受け持っているから、睡眠率はかなり少ない授業だった。
「みんな、大変だよ！」
そんな人気のジソン先生は、入ってくるなり大きな声で私たちを驚かせた。
「先生いきなりどうしたの」
「どうせ大したことじゃないでしょー」
ワイワイと楽しそうに文句をぶつけるクラスメイトたち。なんだかおかしくて私は笑ってしまったけれど、先生が焦った表情を変えることは無かった。そしてまたよく通る声でこう言った。
「今日は10月26日の金曜日！」
わかりきったことだ。私を含めてクラスのみんなが首を傾げる。そんな生徒たちを見て、先生は1番前の中央に座る生徒に視線を移した。
「デフィ、2週間後の土曜日は11月10日だけど、何の日かわかるかい？」
学級委員長のイデフィ。何でもオールマイティにこなす優等生だから、大抵の先生は生徒からの反応が悪いと彼を名指しする傾向があった。
「えっと…」
授業中に問いかけられた問題にはハキハキと答えるデフィが口ごもっている。
不安そうだったジソン先生の表情がさらに曇る。そして仕方ないという風にこう付け足した。
「質問を変えるよ。文化祭はいつ？」
「…あ、」
ここでデフィが何かに気付いたように声を漏らした。そして、ここで同じことに気づいたのは私も、恐らく周りの生徒も一緒だった。
「来月の10日です」
みんなを代表して、デフィが答える。
「そうだよね。君たち、どこまで進んだ？」
「白雪姫の演劇をやるということは決めました。あとは無計画です」
「…」
教室の空気がずっしりと重い。
ここで初めてジソン先生が笑顔になった。
「ねえ、やばくない？」
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加賀島京(プロフ) - ナギさん» コメントありがとうございます。あたたかいお言葉とても嬉しいです；；前回の更新から時間が経ってしまって申し訳ないです……。楽しみにしていただいているのにすみません！必ず完結はさせますので、これからも読んでいただければ嬉しいです。 (2019年5月9日 3時) (
レス) id: 8ab02f0b4e (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 久しぶりの投稿ですね！嬉しいです。ゆっくりでも全然構わないので完結まで持ってきていただけると嬉しいです……無理ない程度に頑張ってください！ (2019年3月31日 23時) (レス) id: b8f2817426 (このIDを非表示/違反報告)
ARMY - 明けましておめでとうございます！ワナワンも解散で、ほんとに悲しいTTワナワンのことも、忘れないし、加賀島京さんの、作品も、忘れません！今年も、更新楽しみにしてます！ (2019年1月3日 21時) (レス) id: ea329e26cd (このIDを非表示/違反報告)
加賀島京(プロフ) - ARMYさん» わかります、なんでもこなしてしまうデフィが本当に本当に好きで…(;_;) …ああ、そんなことを言っていただけるなんて…本当に嬉しいです…ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2019年1月1日 23時) (レス) id: 7b34f080ca (このIDを非表示/違反報告)
加賀島京(プロフ) - 空さん» ありがとうございます…！空さんの作品を読んでいると、私もヒョンソプを動かしたい…！と思って、つい登場させてしまいました(^^;面白いと言っていただけて本当に嬉しいです。あと、ゆらぎの中でセウンが登場したことに興奮してしまいました、、ありがとうございます、 (2019年1月1日 23時) (レス) id: 7b34f080ca (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2018年11月23日 0時
