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告白の現場だと理解するのに、そう時間はかからなかった。
良くないことだとはわかっているけど、こういうことには聞き耳を立てずにいられない。
先程教室に入ろうとしたときに少しだけ開けていた窓の隙間に這うようにして近づき、ぐっと片耳をあてる。二人が入ってきて少しは時間が経っていたはずなんだけど、まだどちらも何も話していないようだった。姿勢を変えずにしばらく待っていると、か細い女の子の声が聞こえた。
「時間をとってくれて、ありがとうございます。先輩、部活忙しいのに…」
「部活は遅れても大丈夫だから、気にしないで」
「あ、良かったです、すみません…」
先輩って呼ぶってことは、一年生らしい。好きな相手を前にしておどおどする彼女の様子が、目に見えなくても伝わってきた。
それに対して優しく返事をするジフンは、なんというか完全に女の子慣れしている対応、ってかんじだ。彼が本当に今の台詞と同じことを思っているのかはわからないけど、仮にじれったいと思っていたとしてもそんな様子は一切感じさせない落ち着いた声色だった。ここからは表情は見えないけれど、おそらくあの大きな目で彼女のことを見つめながら微笑んでいるんだろうな。
彼女は一年C組のホリエです、と名乗ってからためらいがちに本題に入っていった。
夏休み前、帰り際にグラウンドで部活のサッカーに励む様子を見て一目惚れしたこと。それから話しかけようとしたけれどいつも先輩の周りには人がいてなかなかできなかったこと。これ以上気持ちを我慢していてもつらいから、今ここで告白するということ。
とにかくそんな内容を時間をかけて話した後に、そのホリエさんはやっとのことで「好きです。付き合ってください」と震える声で言った。
今すぐおめでとう、よく頑張った！と叫んで彼女を抱きしめてあげたい衝動に駆られるものの、なんとか我慢して肝心なジフンの答えを聞くためにまた耳を傾ける。
「…ありがとう。そんな風に俺の存在に気づいてくれて嬉しいよ。」
そこまで言ってから彼は、だけどごめんね、と続けた。私にまで緊張が走る。
「今は誰かと付き合うことは考えてないんだ。だから、俺のことはお兄さんだと思ってこれから接してくれたら嬉しい。周りに人がいても、気にしないで話しかけてきてよ。ね？」
それから二人がどんな会話をしたかは頭に入ってこなかった。ただただ完璧な彼の返し方に感動すら覚えてしまった私は、その彼の台詞をしばらく反芻していた。
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加賀島京(プロフ) - ナギさん» コメントありがとうございます。あたたかいお言葉とても嬉しいです；；前回の更新から時間が経ってしまって申し訳ないです……。楽しみにしていただいているのにすみません！必ず完結はさせますので、これからも読んでいただければ嬉しいです。 (2019年5月9日 3時) (
レス) id: 8ab02f0b4e (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 久しぶりの投稿ですね！嬉しいです。ゆっくりでも全然構わないので完結まで持ってきていただけると嬉しいです……無理ない程度に頑張ってください！ (2019年3月31日 23時) (レス) id: b8f2817426 (このIDを非表示/違反報告)
ARMY - 明けましておめでとうございます！ワナワンも解散で、ほんとに悲しいTTワナワンのことも、忘れないし、加賀島京さんの、作品も、忘れません！今年も、更新楽しみにしてます！ (2019年1月3日 21時) (レス) id: ea329e26cd (このIDを非表示/違反報告)
加賀島京(プロフ) - ARMYさん» わかります、なんでもこなしてしまうデフィが本当に本当に好きで…(;_;) …ああ、そんなことを言っていただけるなんて…本当に嬉しいです…ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2019年1月1日 23時) (レス) id: 7b34f080ca (このIDを非表示/違反報告)
加賀島京(プロフ) - 空さん» ありがとうございます…！空さんの作品を読んでいると、私もヒョンソプを動かしたい…！と思って、つい登場させてしまいました(^^;面白いと言っていただけて本当に嬉しいです。あと、ゆらぎの中でセウンが登場したことに興奮してしまいました、、ありがとうございます、 (2019年1月1日 23時) (レス) id: 7b34f080ca (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2018年11月23日 0時
