あと12日�� ページ16
「マジでお前、どういうつもり」
「何が…？」
「何がって、なんでお前が主役に立候補した」
「それは深い事情があったんだってば！元々私についてた毛玉を―」
「言い訳やめろ」
言い訳じゃないのに！！
そう言ってやりたかったけど、私は裏のジフンを目の当たりにして黙り込んでしまった。
――これが蛇に睨まれた蛙ってやつか…。
「お前が白雪姫に立候補したから、最初はなんだかんだお前も周りの女子みたいに、俺に好意を持ってるのかと思った。だからそれに応えようと思ってそっから積極的に話しかけたけど、違った。お前、心底嫌そうな顔するんだもん。どういうつもり」
やっぱり彼に向けてた笑顔は不自然だったみたいだ。
私は慌てて弁解を始めた。
「ジフンが嫌いなわけじゃない。ただ、あの時いつもと違う一面を知っちゃったから、ちょっと警戒してたっていうか…普段の明るくて優しいイメージと違うなって思って…」
「みんなが期待してることは全部やる。なるべく、みんなが俺のことを好きでいるようにする。それでみんなは満足するし、俺も満たされる。誰も見てない時くらいみんなが知らない自分に戻ったって、何も悪くないでしょ？」
彼について、またひとつ知ってしまったような気がした。彼の内側にこんなに触れてしまっていいのだろうか。
こういうのって所謂――
「偽善者…？」
自分でも知らないうちに、ぽろっと言葉が飛び出していた。
はっとして口元を抑えるけど、もう遅い。ジフンの顔が驚いた表情に変わり、そしてみるみるうちに怒りに変化していく。
「今なんて言った？」
何か言おうと口を開いた時には、近づいてきた彼に肩を掴まれ荒々しく壁に押し付けられていた。
―怖い。
「俺のこと、偽善者って言った？」
「ごめん、ごめんなさい！深い意味で言ったわけじゃないの！」
「違う。俺は偽善者じゃない」
「そうだよね、本当にごめんなさい！」
「俺は、偽善者じゃない。俺はただ――」
何か言いかけたのに、ジフンの言葉が途切れた。一瞬躊躇うような表情になったけど、それはすぐに元の怒りに戻って、彼は舌打ちをした。そして大きなため息をひとつ、ついた。
「…教室戻るぞ」
「えっ、うん…」
ジフンが離れ、私を扉の方に促す。
――偽善者じゃないと言った時、彼はもちろん私に向かって言ったのだけど、なぜか自分自身に言い聞かせているようにも見えた。
彼の考えていることの端っこに少し触れただけ。
深いところはまだ何もわからないし、予想もつかなかった。
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加賀島京(プロフ) - ナギさん» コメントありがとうございます。あたたかいお言葉とても嬉しいです；；前回の更新から時間が経ってしまって申し訳ないです……。楽しみにしていただいているのにすみません！必ず完結はさせますので、これからも読んでいただければ嬉しいです。 (2019年5月9日 3時) (
レス) id: 8ab02f0b4e (このIDを非表示/違反報告)
ナギ(プロフ) - 久しぶりの投稿ですね！嬉しいです。ゆっくりでも全然構わないので完結まで持ってきていただけると嬉しいです……無理ない程度に頑張ってください！ (2019年3月31日 23時) (レス) id: b8f2817426 (このIDを非表示/違反報告)
ARMY - 明けましておめでとうございます！ワナワンも解散で、ほんとに悲しいTTワナワンのことも、忘れないし、加賀島京さんの、作品も、忘れません！今年も、更新楽しみにしてます！ (2019年1月3日 21時) (レス) id: ea329e26cd (このIDを非表示/違反報告)
加賀島京(プロフ) - ARMYさん» わかります、なんでもこなしてしまうデフィが本当に本当に好きで…(;_;) …ああ、そんなことを言っていただけるなんて…本当に嬉しいです…ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2019年1月1日 23時) (レス) id: 7b34f080ca (このIDを非表示/違反報告)
加賀島京(プロフ) - 空さん» ありがとうございます…！空さんの作品を読んでいると、私もヒョンソプを動かしたい…！と思って、つい登場させてしまいました(^^;面白いと言っていただけて本当に嬉しいです。あと、ゆらぎの中でセウンが登場したことに興奮してしまいました、、ありがとうございます、 (2019年1月1日 23時) (レス) id: 7b34f080ca (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2018年11月23日 0時
