# 泣き虫 ページ3
【ユウナ Side】
健太「だから！
もう遅いんだって……。」
ユウナ「っ……バカ健太っ。」
無責任な健太に腹が立ち、頭を冷やそうと一言吐き捨て、部屋を出た。
ユウナ「っ……。」
涙が零れそうなのを必死に堪えた。
私は北人が取られるのが不安で、仕方ないんだ。
だから入れたくない。
自己中心的でごめん。
北人「ユウナ。」
ユウナ「……ほ、くと。」
振り返れば北人がついてきてた。
塀に体をよっかからせて、私の横に立つ。
ユウナ「……北人も、なんであの時諦めたの？」
北人の方を向かず真っ直ぐ前を見て、問いかけてみた。
北人「決める権利は健太にあるから……」
ユウナ「そんなの関係なしに普通に言えばよかったじゃん！」
"決める権利は健太にしかないから"って一点張りな北人にも少しキレて北人の方を向いて強く言った。
と、同時に涙が零れた。
北人「ごめん。」
そう言って、私の頭を撫でようとする北人の手を払った。
北人「っ……。だけど、あの女のことは俺の方がよっぽど分かってるから。」
ユウナ「分かってるなら入れなければいいじゃん。」
北人「分かってるからこそなんだよっ。」
怒らないように我慢しているのか少し強い調子で言った。
ユウナ「…分かってないじゃん──北人「お前だよ！1番分かってないのは！」
ユウナ「……はっ？」
やってしまった…かのような顔をする北人。
すると、覚悟を決めたかのように大きな目をキリッとさせ、
北人「もし同居を断ったら、外であの女はユウナに何すんのか分からないんだよっ。」
ユウナ「そ、そんなの断らなくても一緒でしょ。」
北人「俺がそばにいるかいないかの問題なんだよっ。」
男らしい言葉を聞いて、ドキッとした。
それを隠そうと私は
ユウナ「……い、なくても、私はカンナさんにやられないからっ。」
サッ＿＿＿
ユウナ「っ。」
私の片方の頬に北人の手が添えられた。
親指で涙の跡を拭いて、
北人「泣き虫が何言ってんだよ。」
と、優しく微笑んだ。
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ゆあ - 健太くん大好きです。また作って欲しいです (2019年2月23日 2時) (
レス) id: 0eaf3d3c12 (このIDを非表示/違反報告)
藤原になるの。(プロフ) - この話 とっても面白いです！ これからも頑張ってください!! (2019年2月20日 0時) (レス) id: a7dd421127 (このIDを非表示/違反報告)
じゅな - このお話とっても面白かったです！応援してます！頑張ってください！ (2019年2月17日 9時) (レス) id: bf5d4ba28d (このIDを非表示/違反報告)
岩谷きょう☆ - このお話を読んで健太くんが好きになりました！これからも頑張って下さい！ (2019年2月14日 19時) (レス) id: 56cfde58b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てん | 作成日時：2019年1月8日 14時
