根拠と動機 ページ31
時雨side
ナル
｢そうだね、高橋さん？｣
高橋
｢えっ..あ、うん。
村山さんって文芸部なんだけど、確か笠井さんも、生物部の前は文芸部にいた事があって。｣
麻衣は疑問に思って、笠井さんに確認の為に「そうなの？」と聞いた。
そしたら、笠井さんは俯いたまま頷いた。
笠井
｢2年の時、ちょっとだけ.......｣
高橋
｢だから、本当に驚いたの。
村山さんが笠井さんに怒鳴りつけた時、よく先輩に向かってあんな事言えるなって。｣
ナル
｢あの席に座った人物が分かっていれば、机の所有者に呪詛をかけるという、回りくどい方法をとる必要はない。
何故、当人ではなく机に呪詛が掛けられたか。
それは、犯人が村山さんを知らなかったからです。｣
産砂
｢それだけで私を犯人と決めつけるのはどうかしら？
ﾌｯ)名前なんて、誰かに聞けばわかる事何でしょ？｣
ナル
｢村山さんの発言以降。
超能力否定派が校内で多勢を占めるよえになり、あの時点では既に先生達は周囲から孤立していた。
聞ける状況でありましたか？｣
そんなの、聞ける訳がない。
状況が状況なだけに.....
ナル
｢もう1つの証拠は、名前です。
今回学校関係者以外で、呪詛の対象となったのは僕と麻衣、そして原真砂子さんの三人。
テレビにも出ている原さんの名前は兎も角、僕と麻衣のフルネームを知っている人間は限られています。
僕に関して言えば、渋谷一也と言う名を伝えたのは、校長先生と産砂先生....貴方以外に見えません。
校長は麻衣の名前までは知らない。
そうなると僕の知る範囲では、我々3人の名前を知っているのは、先生、貴方だけです。｣
産砂
｢では動機は？
何故私は、貴方方を呪わなくちゃいけないのかしら？｣
まだ言うか、この先生。
多分今の私は、冷たい目で産砂先生を見てるんだろうな。つらい。
ナル
｢貴方は先程笠井さんから、僕が陰陽師である事を耳にしたとおっしゃいましたね。｣
産砂
｢ええ、それが？｣
ナル
｢呪詛は陰陽道から来ている。
僕が陰陽師なら、それを見破られてしまうかもしれない。
貴方はそれを恐れ、先手を打って僕を消そうとした。｣
産砂
｢それなら、何故谷山さんまで？｣
ナル
｢麻衣は今回、鋭い感を発揮した。
最初に笠井さんは犯人じゃないと言い出したのは、麻衣です。もう1人居ますが....
その直感を貴方は恐れた。
だから僕同様に麻衣も.......｣
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作者名：トラ | 作成日時：2019年6月1日 18時
