甘えた上手な俺の君【ybhk】

50話 ページ50

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この指の長い手と繋がった先に、俺がいる。


そう思うと、なんだかとても嬉しかった＿＿。









yb「ねーねー、今日は何する？」


「帰ってご飯食べて寝る」


yb「あっちは？」←


「暫くはしません」←


yb「暫くって、まだ１回もしてないけど」


「いいだろ、心の準備だよ」




何言ってんだ、俺。


心の準備、と言ってしまえばそれまでだと思ったのか。


俺はどんなに頑張ったって決意を固めることが出来ないのにな。




「薮。腕ぶんぶん振るな」


yb「楽しいんだもーん。振って当然♪」


「子供か」




半ば呆れ返りながら手を繋いで歩く道。


無言だってはしゃいでいたって、なんだかんだ言ってとても幸せだ。


それを表に出せないのが、俺の悪い癖。




yb「今度さ、ちゃんと心の準備してから、やんない？」


「……なに、いきなり」


yb「キスもしちゃダメなんて、心が持たない」


「んなこt──」

yb「可愛すぎるよ。こうして手握っとかないと、いつ襲われるか心配なんだから」




恐ろしく真面目に言い出すから、やっぱり俺はムードなんて考えられなくなって。




「……ふふっ」


yb「笑わないでよ。真面目なのに」


「薮が真面目だってことにまずウケてんの」←


yb「あっそーですかぁー」


「拗ねた」


yb「拗ねてないしぃー？」




どうしても恋人じゃなくて親目線になっちまうんだよな。←



拗ねてても離されない指が

絡んで、強く締まった＿＿＿＿。




yb「誰か待ってんのかな。寒そう」


「ん？」


yb「あそこの人。マンションの前にいる」









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薮の視線を辿った先に、見覚えのある顔があった。




「久し振り。光くん」


「なん……で、、、っ」




思わず顔をしかめる。


喉がひゅうっ、と音を立てた。


それを知ってか知らずか、薮と繋いだ手が離れていくのを肌で感じる。




yb「光、………先行ってるね」




気を利かせてくれた薮に感謝も伝えないまま、俺はそいつに歩み寄った。









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＿＿＿＿＿＿なんで、今なんだよ。





⏩to be continued

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