48話 ページ48
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なんだか気持ちが沈んで、昼飯も食わず社に着いた午後1時。
in「どったの?元気ないね」
小さな変化に気づいたのか、さっと近づいてそれとなく聞いてくる伊野ちゃん。
「ごめん……一人にして」
in「……しょうがないなぁ。昼飯買ってくるね。どーせ食べてないんでしょ」
長年のってやつなのか、察してくれて、すぐ大ちゃんと連れだって行ってしまった。
気を遣わせちゃったなぁ。
その気遣いが温かくて、ありがたくて。
「こんなんじゃ仕事できねぇや」
どれくらいの間、ぼーっとしていたんだろうか。
大ちゃんが手を振っていることにも気づかなかった。
ar「もっしもーし。光くんですかー?応答願いまーす」
「ごめん、大ちゃんの存在に気づかなかった」←
ar「し、失礼な!!」
in「よかった。いつもの調子に戻ったね」
ar「う、うん!?良かったのか?」
未だに状況を呑み込めていない小学生はさておき。←
伊野ちゃんがコンビニで買ってきてくれた飯にありついた。
「いくらだった?」
in「無料サービスです!今回限りの特別価格だよーん」
「……ありがと」
in「どーいたしましてー。なんならもっと言ってくれても構わないんだよ?ここの社員全員に聞こえたって、全然へーきで──」←
「言わなきゃよかったわ」
in「……ちょっとキレが悪いかなぁ。帰っちゃったら?」
「へ?」
俺の体調ってキレの良し悪しで判断されんのかよ!?←
in「去年だって有給全然使わなかったんでしょ。今年くらいどーどーと使っちゃえ!」
「いや、でも……」
in「大丈夫だって。大ちゃんが残りの仕事任せてって言ってたから!ね?」←
ar「へ?う、うん?」←
なんとも強制的な話だったけど、大ちゃんのご厚意に感謝をして帰らせてもらった。
そういえば大ちゃん、昨年も一昨年もきっちり有給休暇使いきってんだよなぁ。
そんなにすることねぇだろ………5歳なのに。←
「でも帰るって言ったってな……」
あ、そうだ。
「良いこと思いついた」
これから薮の働いてる姿、見に行こうかな。
なぜだかあいつのことを考えていたら、体が軽くなった気がした。
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柊(プロフ) - コメントありがとうございます!励みになります。どんどんハマってってください笑 (2018年12月31日 0時) (レス) id: dea4eacb95 (このIDを非表示/違反報告)
Aya - このお話、めちゃくちゃおもしろいですね!どハマりしちゃってます笑更新待ってます(^-^)頑張ってください!! (2018年12月30日 21時) (レス) id: 405da91ea5 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - いちごらいすさん» わざわざコメントをいただけて嬉しいです。長文welcomeですよ!私も大好きな作品の作者様からコメントなんて………感無量です。自信がつきました。応援してくださりありがとうございます!これからも思わず笑みが溢れるような作品を目指して。よろしくお願い致します! (2018年12月15日 23時) (レス) id: dea4eacb95 (このIDを非表示/違反報告)
いちごらいす(プロフ) - それだけ伝えたくて…すみません笑 これからも更新楽しみにしています。頑張ってください!応援しています!長文しつれいいたしました… (2018年12月15日 19時) (レス) id: ec43b8c35c (このIDを非表示/違反報告)
いちごらいす(プロフ) - はじめまして!先日私の、やぶこーた、占ツク始めました。という作品にコメントくださってありがとうございます!とっても嬉しいコメントだったので梓さんのプロフィールに飛んで見たところ、お気に入り登録している大好きな作品の作者さんで驚きました! (2018年12月15日 19時) (レス) id: ec43b8c35c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊 | 作成日時:2018年12月5日 0時