【短編集】 艶美な夢に絆されて 【ツキウタ。】

永久に愛すよ眠り姫　...　如月恋＊ ページ32

「A......っ！」



俺の彼女は持病持ちだった。

詳しくは知らないけど、心臓とかではないらしい。

病状は眠る。気絶するように、唐突に眠り出してしまう。

現に、今も。



「ふつうに古典の時に発作が...、眠ってるのかなって思って...」



うまく言葉が紡げられない。



「大丈夫よ、恋くん」


「うちの娘を、ありがとう」



なんで、もう終わりみたいな...。

...見ると、Aのご両親は目に涙を溜めていた。

俺なんかより、辛いんだろうな。



「Aは、いつ目覚めますか」


「...この発作が起こるのはもう、２０回目なの。

多分、これで目覚めたとしても次は...」


「...っ」



言葉の先を考えたくなくって、眠るAに近寄る。

そして、少し冷たい手を握る。



「...A、待ってるからね」



ぽた、ぽたた、涙が垂れる。

ダメだ、まだ終わりじゃないんだ。



「浮気しないから、毎日...は無理だったとしても、できるだけ毎日来るから...」


「...恋くん」


「...っ」



死んだように眠るA。

届いてるわけがない。でも、届くはず。



「...A、ずぅっと愛してるから......っ！！」



耐え切れず、握った手におでこをくっつけ、泣き出してしまう。

目覚めるよ、目覚めるはず。

次なんてない。絶対にないんだ。


...俺は、面会時間ギリギリまで手を握っていた。

この日は目覚めなかった。でも、明日目覚めるかもしれない。



「...A、おいてってごめんね。また明日...」


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＃夢の中でも俺をみて ... 如月恋


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＃夢の中には君がいない ... 如月恋


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＃Rin'様リクエスト(第一弾)

＃日に日に濃くなる君の愛　...　如月恋＊→←＃皐月葵の裏表　...　皐月葵＊

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