おたんじょうび 1 ページ25
※娘は3歳位です
「治春ちゃん、そこの卵を3つ、取ってくれる?」
「あい!」
私が愛娘の治春にそう云うと、治春は卵を一つ一つ、数えながらパックから取り出し、落とさない様に気を付けながら私に渡してくれた。
「あい、まま、どーぞ!」
「1、2、3個。うん、ちゃんと3つあるね。ありがとう、治春ちゃん」
卵の数を確認した私が娘の頭を撫でると、治春は嬉しそうに笑っていた。
さて、遅くなったが、私たちが今何をしているのかというと、今日誕生日を迎える最愛の夫、龍之介の為に無花果のケーキを作っている。
彼には直前まで秘密にしておきたいから、龍之介が仕事で居ない昼間の間に娘の治春と一緒に彼のプレゼントを買い、其の後にケーキを作っているという訳だ。
治春ももうすぐ4歳の誕生日を目前に控えているためなのか、もう大分しっかりしている。
今は、私が隣で見守りながら、子供用の包丁で苺を一つ一つ丁寧に切っている所だ。
「ん、しょ…」
「そうそう、治春ちゃん、お手てを猫さんにして切るんだよ〜」
「ねこしゃん!」
そうしている内に、治春は苺を全て切り終えた。少し形が歪なものもあるが、3歳にしては良くできていると思う。
その後、材料やホイップクリームを混ぜたり、出来た生地を型に流し入れたりといった作業を進め、オーブンで焼いている間に何時もより豪華な夕飯を作り、テーブルに並べていく。
その内、オーブンから甘い匂いが漂い始めたので、そろそろかと思いオーブンから取り出してみると、見事にふんわりと焼き上がっていた。
「うわあ!ふわふわだねえ!」
其の様子を見た娘が私譲りの菫色の目を輝かせて云う。
「ふふ、上手く出来たね。それじゃあ、一緒に飾り付けしよっか」
「するー!」
きゃっきゃと嬉しそうな治春に癒されつつ、ケーキにクリームを塗り、苺や無花果などフルーツを飾り付けていく。
「まま、ぱぱ、よろこんでくれるかな?」
「うん、ママと治春ちゃんで一生懸命作ったんだから、きっと喜んでくれるよ」
「やったあ!」
和気あいあいとお喋りしながら飾り付けていく内に、最後にはメッセージを書いたチョコを乗せるだけになった。
「まま、ちー、ちょこにかきかきする!」
チョコペンを出すと、娘は待っていたと云わんばかりにぴょんぴょんと跳ねながら手を挙げた。
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チエリ(プロフ) - リクエストです。娘ちゃんの七五三が見たいです! (2020年12月2日 16時) (レス) id: 26773a3f05 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - リクエストしてもいいですか子供ちゃんが芥川君にいやと言って太宰さんに懐いたらお願いします (2020年11月28日 14時) (レス) id: c1f033818d (このIDを非表示/違反報告)
あやねっち - 更新楽しみです! リクエストで 夢主が長期任務に行ったらでお願いします 医療なのであまり無いと思いますがお願いします! (2020年6月3日 22時) (レス) id: a393e3772d (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 森さんとエリスとの触れ合いが読みたいです。 森さんにお茶を運ぶちーちゃんとかエリスとおままごとするちーちゃんとか… 中也の帽子を被って真似っこするちーちゃんとか。 (2020年4月15日 20時) (携帯から) (レス) id: 66cf0ac4ec (このIDを非表示/違反報告)
水無月カエデ(プロフ) - リクエストよろしいですか?治春ちゃんが風邪ひいて、主人公と芥川が看病するお話はどうでしょうか? (2019年8月12日 8時) (レス) id: 6738e6e757 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:独楽:ころん | 作成日時:2018年8月12日 20時