かぜひき 2 ページ24
「龍、治春ちゃんはどうしてる?」
しばらくして、Aがお盆にお粥とポ◯リ、熱さま◯ートと体温計をのせて寝室に入ってきた。
「嗚呼、先程寝た所だ。」
芥川はそう云うと、タオルで治春の汗を拭った。
芥川は未だ貧民窟にいた時、酷い風邪をひいて死に掛けた事があった為、過保護になって仕舞うのも無理はない。
其れに、最愛のAとの間に出来た幸せを失うかもしれない、失いたく無いという不安にも駆られていた。
「大丈夫だよ、龍。治春ちゃんは大丈夫。パパとママである私達が信じなきゃ。」
其の不安を感じ取ったのか、Aが芥川を優しく抱き締めた。
「其れに、私だって一応マフィアの医療班だよ?大丈夫だって」
そう云うAも、本心では少し不安なのだろう。ほんの少し、芥川にしか分からない位微かに手が震えていた。
Aも、きっと貧民窟で過ごしていた時、芥川が風邪で死に掛けた事を思い出していたのだろう。
「…嗚呼、大丈夫だ。僕も、お前も、治春も」
芥川はそう云って、Aの手と治春の小さな手を優しく握った。
―――――――――――――――――――――――――
「っくしゅ!」
『ぱぱ―、だいじょーぶ?ちー、おちゅーしゃしゅるよ?』
3日後、治春は無事、元気になった。
しかし、入れ替わる様に芥川が風邪をひいた。
「もう…。パパ、ずっと治春に付きっきりだったもんね?」
「…五月蝿い」
Aは、少し呆れながらも夫の看病をしていた。風邪をひいて少し弱気になっているせいか、今日の夫は何時に無くくっついてくる。
『ちーも、ままにぎゅーする!』
「…また風邪をひくぞ」
そう云いつつも、此の二人を強く拒めない辺り、自分の二人に対する想いを深く実感する芥川だった。
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チエリ(プロフ) - リクエストです。娘ちゃんの七五三が見たいです! (2020年12月2日 16時) (レス) id: 26773a3f05 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - リクエストしてもいいですか子供ちゃんが芥川君にいやと言って太宰さんに懐いたらお願いします (2020年11月28日 14時) (レス) id: c1f033818d (このIDを非表示/違反報告)
あやねっち - 更新楽しみです! リクエストで 夢主が長期任務に行ったらでお願いします 医療なのであまり無いと思いますがお願いします! (2020年6月3日 22時) (レス) id: a393e3772d (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 森さんとエリスとの触れ合いが読みたいです。 森さんにお茶を運ぶちーちゃんとかエリスとおままごとするちーちゃんとか… 中也の帽子を被って真似っこするちーちゃんとか。 (2020年4月15日 20時) (携帯から) (レス) id: 66cf0ac4ec (このIDを非表示/違反報告)
水無月カエデ(プロフ) - リクエストよろしいですか?治春ちゃんが風邪ひいて、主人公と芥川が看病するお話はどうでしょうか? (2019年8月12日 8時) (レス) id: 6738e6e757 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:独楽:ころん | 作成日時:2018年8月12日 20時