第陸話 ページ8
私と少女は炭治郎が目覚めるまで、少し話をした
彼女の名前は真菰。あの少年の名は錆兎と言うらしい
『二人は兄妹なの?』
「ううん。私達は孤児でね、鱗滝さんに育てて貰ったの」
『そう、なんだ…』
彼女の口振りからいくと、まだまだ修行をしている子が居るのかもしれない
否。居た、と言う方が正しいのかも
色々と話をしていると、隣で倒れていた炭治郎が跳ね起きた
『炭治郎、だいじょ…』
「さっきの見たか!?」
『え…?』
さっきの、と言うのは錆兎の事だろうか
『うん。見ていたけど…』
「あの凄い一撃。そして無駄の無い動き、」
……確かに。彼の動きには無駄が無かった
「あんな風になりたい。俺もあんな風になれるかな?」
「きっとなれるよ。私が見てあげるもの、」
そう言い、彼女は炭治郎に笑い掛けた
それから彼女は炭治郎の修行風景を眺めている
そして、悪い所や癖を直ぐに見つけ出して的確に教えていた
流石に、私も見ているだけではと思い少し離れた場所で今まで教えられた事をこなしていく
「ねえ、A」
『どうしたの、真菰。炭治郎の方は大丈夫?』
「うん。今は素振りをしているから、終わったら声を掛けるつもり」
『…そっか。それでどうしたの?』
「Aはもっと自信を持った方が良いよ、」
突然、彼女から言われた言葉
『私が…?』
「うん。Aは呼吸も、きちんと使えてる。だから、後は自信を持てば良いだけ」
その言葉を聞いたとき
私の中のもやもやが一気に晴れた
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