第肆話 ページ6
翌日、私は鱗滝さんに頭を下げ
彼が毎日行っている修行を一緒にさせて貰う事にした
私は既に、氷の呼吸という物を完全では無いが会得している
でも、やはり何かが足りない
だから、此処で修行をして師匠が会得していた水の呼吸を、私自身も会得すれば何か分かるかもしれない
順番は可笑しいし、水の呼吸が会得出来なかったとしても、きっと何かが分かる筈だろう
今、彼がしている修行は何ともシンプルだ
山を登って降りて来るだけ
『……っと、これは凄い』
やっぱり、只の山下りじゃ無かった
この山には罠が張り巡らされており、その罠に掛かれば確実に怪我をする
……否。怪我だけじゃ済まないかも
炭治郎はどうしているだろうか?
でも、私自身も他人の心配を出来る程じゃない
今は山を下る事だけを考えなければ
そんな事を考えていると、何か糸のような物が足に引っ掛かった
『まさか、罠…!?』
何処からか刃物が数本飛んでくる
これを全て避けるのは無理だ。確実に何本かは体に刺さってしまう
私は反射的に目を瞑ってしまう
「……A!!」
それは紛れも無く彼の声で
私を助けるため、走り込んで来たのだ
彼と私は勢い良くぶつかり、ゴロゴロと山を転がり落ちて行く
傾斜が緩やかな場所に放り出され、その場に止まった
『炭治郎、ごめんね。私のせいで……!!』
「気にしないでA。君を助けたくて俺がしたことだから、」
炭治郎は優しすぎる
その優しさが身を滅ぼさなければ良いけれど
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