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在ル隊士ノ記録 ページ16

その日は雪がひらひらと舞い

後ろでは不気味な位、月が光輝いていた

そんな日だった

「……やっと見つけた。見つけるまで苦労したよ、」

「それは済まなかった。只、今日でお前の苦労も此所で終わる」

そいつは私を嘲笑う

私は何時もなんて運が良いのだろうか

姿形を変えて、この世界で暮らしているコイツに何度も出会っている

「その言葉、そっくりそのまま貴方に返して上げる…」

ぐっ、と足に力を込め

私はソイツに詰め寄る

鬼の急所は首である。私は首に狙いを定めて刀を振るう

ソイツは私の攻撃を避けようともしない。寧ろ、受けようとしている

「っ…嘗めた真似を…!?」

確かに首を斬った筈なのにヤツは死なない

「情報不足だった様だな。私は首を斬っても死なない、」

「……なら、日に晒せば良いだけの話」

少し長丁場になってしまうが、此所でコイツを倒す事が出来れば全てが終わるのだ

「果たして、そう簡単にいくと思うか?」

ぽつり、ソイツは呟くと

いつの間にか私の後ろに居た

そして私が次に見た光景は、自分自身の身体から流れ出る血飛沫

「う、ぐっ……な、んで……確かに私は」

血がどくどくと流れ出る

視界が揺らめく

「今、私は気分が良い。お前に生き延びる道を与えてやろう」

「な、んだと……?」

「私が鬼に変えてやる。そうすれば死ぬことも、今以上に強くなる事も出来る」

そう言って、ヤツは笑った

在ル隊士ノ記録・弐→←第拾参話



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作者名:出雲*弐式 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年8月20日 1時

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