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第二十六章 ページ29

俺が合宿所に駆け込んだ時には

外には既に、数人の生徒がいた

……否。一人を除き、他は刀の付喪神だが

「厚…。何でお前が?」

「一を護衛してくれ、ってAに頼まれたんだ」

「……じゃあ、Aは!?」

珍しく山姥切が声を張り上げる

「落ち着いてくれ。俺と一緒に三日月に鶴丸が来ているから」

厚の言葉で少しは皆安心しただろう

……でも。この胸騒ぎは何だ?

「……厚。もう一度、護衛を頼めるか?」

「そりゃ別に良いけど…。まさか、戻る気か!?」

それは周りも驚くだろう。わざわざAが護衛を付けさせて護らせた命

自分自身で捨てに行くようなものだ

「Aが直ぐ近くまで来ている気がするんだ。俺はアイツを…迎えに行かなくちゃならない」

「なら、俺と山姥切で…!!」

「……頼む。俺に、行かせてくれ」

彼女をあの場で助けてやれなかった

だからこそ、もう一度俺が動かなければ

そんな使命感に駈られる

「……絶対にAを連れて来て下さい。彼女は、貴方や彼等刀剣男士達にとって、大切な存在なんですから」

そう言って、蘇芳は結界の強度を上げる為、また建物へと向き直る

「よし。行くぞ、厚!」

「分かった!」

俺達は元来た道を引き返し始めた


『……さぁ、どうしようかな』

目の前がクラクラとし始めた

きっと、このまま意識を手離せば

2度と此方には戻って来れないかもしれない

そんな覚悟まで頭を巡る

『だ、れか……き、て』

意識を手放す前に聞こえたのは

この場にいる筈の無い

お兄ちゃんの声と厚の声だった

第二十七章→←小噺・弌



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出雲*弐式(プロフ) - くれは卍さん» コメントありがとうございます。頑張って更新しますので、引き続き読んで頂けたら嬉しいです(*^^*) (2019年3月19日 0時) (レス) id: 7c455c0dc7 (このIDを非表示/違反報告)
くれは卍(プロフ) - この小説もっと読みたいです!これからも頑張ってください!続き楽しみにしてます!! (2019年3月19日 0時) (レス) id: 325596c204 (このIDを非表示/違反報告)
出雲*弐式(プロフ) - 天音朱宇さん» いえいえ! 引き続き読んでいただけたら嬉しいです(*^^*) (2019年1月8日 23時) (レス) id: 7c455c0dc7 (このIDを非表示/違反報告)
天音朱宇(プロフ) - 出雲*弐式さん» 急なコメントでの指摘ですみません。更新頑張ってください (2019年1月8日 22時) (レス) id: caeec976d7 (このIDを非表示/違反報告)
出雲*弐式(プロフ) - 天音朱宇さん» 多分、ミスですね。指摘ありがとうございます。 (2019年1月8日 21時) (レス) id: 7c455c0dc7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:出雲*弐式 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年3月18日 0時

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