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第二十五章 ページ27

……とりあえず、合宿所はお兄ちゃんに任せたから大丈夫だろう

外の異変に気付いて、京治達が加勢してくれるかもしれない

時間塑行軍の数は五

それに対して、私達は三

数では圧倒的に不利だが、二振りとも戦闘経験が浅い訳じゃない

『……まずは結界を、』

結界を張る寸前

何かが遠くで光った

それに気付いた時には一足遅く

『うっ……』

私の足元には矢が突き刺さっていた

「大丈夫か、A!?」

「あ、はは…。大丈夫大丈夫…っ」

「大丈夫じゃないだろ!!」

鶴さんに大きな声で怒鳴られた

嗚呼。もう何年も大声をあげられた事は無かったし、久しぶりの感覚だ

「三日月、Aを安全な場所に」

「嗚呼、分かった。Aを安全な場所に連れて行ったら直ぐに加勢する」

「頼んだぜ」

三日月の向かっている先に見えるのは合宿所

『……まさか、二人で何とかしようと思ってる?』

「そのまさか、だ」

そう言って彼は笑う

無茶だ。いくら戦闘経験が豊富だからと言って二振りだけで倒せる相手じゃない

『やっぱり、私も…っ!!』

「駄目だ。さっきも鶴丸に言われたばかりだろう?」

彼は幼子をあやすように、私に言葉を掛ける

「……早く行かねば、取り返しの付かない事になる。A、それでも良いのか?」

『や、だ…。やだっ…』

鶴さんを失いたくない。だって、大切な家族だから

『……分かった。でも、無理はしないでね?』

「嗚呼。分かった、」

そう言うと、彼は塑行軍がいる方向へと走っていった

それを見届けると、私は朔夜に問いかける

『さ、くや…。お願いがあるの、』

「…どうした。傷を治すのは流石に私でも無理だぞ?」

『ううん、違う。三日月達と一緒に戦って欲しいの…』

「……正気か?」

『正気だよ。じゃなかったら、こんなこと頼まないよ』

ふう、と彼女は息を吐く

「…仕方無い。唯、命が縮まるぞ。それでもか?」

『うん、良いよ。皆が居なくなっちゃうより良いもの』

そう言い終わると同時に、身体から朔夜が抜ける

そして、それは脱力感に変わる

『……さぁ、どうしようかな』

頭がクラクラしてきた

そろそろ限界かもしれない

意識を手放す前に聞こえたのは

「っ…A、A!!」

お兄ちゃんの声だった

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出雲*弐式(プロフ) - くれは卍さん» コメントありがとうございます。頑張って更新しますので、引き続き読んで頂けたら嬉しいです(*^^*) (2019年3月19日 0時) (レス) id: 7c455c0dc7 (このIDを非表示/違反報告)
くれは卍(プロフ) - この小説もっと読みたいです!これからも頑張ってください!続き楽しみにしてます!! (2019年3月19日 0時) (レス) id: 325596c204 (このIDを非表示/違反報告)
出雲*弐式(プロフ) - 天音朱宇さん» いえいえ! 引き続き読んでいただけたら嬉しいです(*^^*) (2019年1月8日 23時) (レス) id: 7c455c0dc7 (このIDを非表示/違反報告)
天音朱宇(プロフ) - 出雲*弐式さん» 急なコメントでの指摘ですみません。更新頑張ってください (2019年1月8日 22時) (レス) id: caeec976d7 (このIDを非表示/違反報告)
出雲*弐式(プロフ) - 天音朱宇さん» 多分、ミスですね。指摘ありがとうございます。 (2019年1月8日 21時) (レス) id: 7c455c0dc7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:出雲*弐式 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年3月18日 0時

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