第二十三章 ページ25
少し時間を戻そう
Aと知り合ったのは約10年前
彼女が産まれた柚木家は、俺の遠縁にあたる家だった
本家は東京に在るらしいが、夏休みなど長い休暇に入ると宮城にある別荘によく来ていた
そこで出会ったのが彼女だった
「A、遊びにきたぞ」
『はじめお兄ちゃん、いらっしゃい』
その日、初めて気付いた
にっこりと笑う彼女の横に、ゆらゆらと揺れる影
それは紛れもなく人の形をしていた
その影は俺と目を合わせると、口元に人差し指を添え、微かに笑った
幼い俺には、皆に彼が視えているものだと思っていた
家に帰ってから、その不思議な人について両親に話した
「今日さ、Aの家で綺麗な着物を着た兄ちゃんをみたんだけど…」
「へぇ、どんな人だい?」
「……確か、着物が青色で瞳に三日月がみえたんだ!」
少し興奮気味に言ったのをよく覚えている
「…良いかい、一。今日、視た人の事は誰にも言ってはいけないよ?」
「……なんでだ?」
父さんは言葉に詰まってしまったようだ
それを助けるかのように、母さんが俺に言った
「一が大人になったら分かることよ。今は知らないまま過ごしなさい、ね?」
「…う、ん」
納得出来ないまま、月日は流れ
俺が高校に進学する少し前、父さんが仕事で怪我をした
幸いにも命に別状は無く、母さんも安心していた
その矢先に、俺の政府への就職話が舞い込んできた
最初は何を言われているか分からなかった
二人はあの時から気付いていた
"俺には素質がある"と
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出雲*弐式(プロフ) - くれは卍さん» コメントありがとうございます。頑張って更新しますので、引き続き読んで頂けたら嬉しいです(*^^*) (2019年3月19日 0時) (
レス) id: 7c455c0dc7 (このIDを非表示/違反報告)
くれは卍(プロフ) - この小説もっと読みたいです！これからも頑張ってください！続き楽しみにしてます!! (2019年3月19日 0時) (レス) id: 325596c204 (このIDを非表示/違反報告)
出雲*弐式(プロフ) - 天音朱宇さん» いえいえ！ 引き続き読んでいただけたら嬉しいです(*^^*) (2019年1月8日 23時) (レス) id: 7c455c0dc7 (このIDを非表示/違反報告)
天音朱宇(プロフ) - 出雲*弐式さん» 急なコメントでの指摘ですみません。更新頑張ってください (2019年1月8日 22時) (レス) id: caeec976d7 (このIDを非表示/違反報告)
出雲*弐式(プロフ) - 天音朱宇さん» 多分、ミスですね。指摘ありがとうございます。 (2019年1月8日 21時) (レス) id: 7c455c0dc7 (このIDを非表示/違反報告)
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