新風、吹かせます!! ページ4
「セーシェルと同室ってことは、先生に問うまでもなく編入生は女の子ね!」
先を行くハンガリーは、とても楽しみなように言う。
リヒテンシュタインも満更でもないのか、ハンガリーに続ける。
「仲良く出来ますでしょうか?」
「大丈夫よ! こっちには同室確定のセーシェルもいるんだから!」
「なんかいいように扱われてるっス……」
セーシェルの言葉に、リヒテンシュタインははにかんだ笑みをする。
「そんなつもりはないわよ! ただ男子人口の多いむさ苦しいクラスが2人目の女子編入生のお陰で緩和されればなって!」
「ハ、ハンガリーさん………;」
「男子が可哀想になってくるっス;」
「事実じゃない!」
「おい、ハンガリー。それ以上言われると、こちらも立場が……」
見かねたドイツが割って入ると、イギリスに連れ戻されたアメリカが、更に空気を読まずに割って入った。
「WHAT? 何の話をしてるんだい?」
「えっ…と、、、 編入生が気になるって話っス」
セーシェルが気をきかせ、話の初題まで戻すも、朝礼時にいなかったアメリカが更に会話を戻そうとした。
「編入生って何の話だい?」
「ちょ、バカ! お前がサボってた朝礼中に話があったんだよ!」
「女の子よ! お・ん・な・の・こ!!」
ハンガリーが続けると、アメリカ同様朝礼にいなかったイタリアも騒ぎだす。
「わー。女の子楽しみー」
これでは話が進みそうにないな。
セーシェルは皆の後ろからそれを眺め、やれやれと肩をすくめた。
コツ コツ コツ コツ
「大体お前はいつも……」
「キミはカルシウム不足なんじゃないかい?」
「女の子か〜。どんな子だろ〜」
コツ コツ コツ コツ
「お前たちいい加減にしろ!! 授業に遅れるだろう!! 先に行ったオーストラリアが見えなくなっただろ!!?」
「えっ!? オーストラリアさん、待ってください!!」
「あは、は……;」
セーシェルは乾いた笑い方をする。
ガヤガヤと騒ぐ彼らの横をすり抜け、通り去る小さい影にも気付かない。
「ん……?」
その影は角を曲がって行く。
セーシェルが振り返った時には、もう姿が見えなくなっていた。
「今の……」
「どうしたんですか、セーシェルさん?」
立ち止まったセーシェルに気付き、リヒテンシュタインが尋ねる。
「今…… 何でもないっス」
セーシェルは皆の方へと駆けよった。
続く お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←世界W学園に編入生!? (プロローグとも言う?)
ラッキーアイテム
革ベルト
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:乃亜 | 作成日時:2012年6月20日 22時