３年Ｅ組の病弱男子 (ページ19)

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中学2年二学期

僕は見慣れた病室で本を読んでいた

「やぁ、三神くん。
体調の方はどうだい？」

『おかげさまで、少しずつ回復に向かっているらしいです。理事長先生』

「それならよかった。今日は君に用があって来たんだよ」

この人が僕の病室にまでわざわざ足を運ぶ理由･･･ある程度予想がつく

恐らくE組行きが決まったんだろう

『E組行きが決まったとかですか？』
「･･･察しがいいね。理不尽な世の中、休むという行為に否定的な大人もいる
･･･どんなに優秀な人材でも、ね」

理事長先生が帰った後、僕はE組行きが決まった事に差程落ち込んではいなかった

自分でももっと落ち込むかと思ったのに･･･

落ち込むよりも先に、共感したのかもしれない

優秀な人でも大人になって働き、社会の歯車として回り始めても休み続けてしまえば、解雇なんてざらにあるんだろう

僕は考えるのを放棄して、目を閉じて眠りについた

『･･･んん』

目を開けると、そこは病室ではなく見慣れた僕の部屋だった

･･･どうやら、去年の夢を見たらしい

昨日の集会後、びちょびちょの制服のまま山を登り荷物を持って、家に帰る為に山を降りたのがまずかったのだろうか･･･

僕はまた、体調を崩し学校を休んでいた

『･･･それにしても、懐かしい夢を見たなぁ』

〝理不尽な世の中、休むという行為に否定的な大人もいる〟

理事長先生の言葉、否定はしない

けど僕は思ったんだ

大人になったら、人に休む事も大事だと伝えられる･･･そんな大人になりたい･･･と

僕は目を閉じて、お母さんに起こされるまで眠りについていた

明日、学校に行く為に