45:好きだよ ページ45
「…つまり、危機感を持てと。言っているんです」
あからさまに無かった事にされた言葉。
流石にそれは無理があるでしょ。
「俺はあなたの事を？」
「…危機感を、持って、ね」
改めて聞き返すとバツの悪そうに顔を逸らす。
逃さないぞ。
しゃがんでいる刀也君の顔を覗き込んだ。
パチ、と至近距離で目が合う。
綺麗な若草色。
その中に映る私の顔。
「あー…もう」
刀也君が低く呟いた。
覚悟を決めたように私と向き合う。
思っていたより近い。
距離を取ろうとしても阻まれた。
両手を刀也君に掴まれ、もう逃げられない。
「いい？一回しか言わないから」
獲物を見つけた狩人のようにギラつく瞳。
雰囲気に圧倒されながら頷いた。
「＿＿＿＿＿ 好きだよ」
頬を染めながら、真剣な瞳で。
けれどハッキリと刀也君が言った。
好き。好きってなんだっけ。
LIKE？LOVE？
「気付いたらAに惹かれてた。
君が攫われた時、どうしようもなく焦った。
本気で守ろうと思ってた」
到底、LIKEの方だとは思えなくて。
「ちゃんと、隣で守らせて。
君も。君の未来も、全部」
告白どころか、プロポーズにも聞こえる。
恥ずかしい。
目を逸らしたくても逸らせない。
それでも刀也君を見れなくなって目を瞑った。
「ま、まって」
「ねえ、それ誘ってるの気づいてる？」
目を瞑ると刀也君の声が近く聞こえる。
思わず後ずさった。
しかし、逆に引き寄せられた。
「待たない。待てない」
「刀也、くん」
発熱なのか羞恥なのか。
あつい。冷静に考えられない。
「…好きだよ。Aは？教えて？」
艶っぽい刀也君の声。
甘い、甘い、雰囲気。
刀也君に流される。
私も、刀也君の事が好きだ。
恥ずかしい事に最近気付いたばかり。
うれしい。とても。
けれど、この気持ちを大切にしたかった。
初恋だから。
なかなか答えない私に刀也君が追い込みをかける。
「ちなみにこの流れで言わないとか許さないよ。
というか、気付いてるし」
先手を打たれた。
刀也君は逃げ道を塞ぐのがうまい。
…気付いてるなら、言わせないでほしい。
「わかってるなら、いいじゃん」
「だーめ。聞かせて？」
砂糖より甘い空気。声。
火照る体が震え始めた。
逃げられないのなら、言ってしまおう。
「私は、大好き」
瞬間、熱い体をキツく抱きしめられた。
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黒灰白有無％(プロフ) - 完結おめでとう御座います！！1から一気に最後まで拝見させて頂きました!世界観?独特な感じがし,yanki-組も凄く良かったです卒業生も好きだったので出て来て嬉しかったです.物語構成等好きで色々な所で感動しました素敵な作品を有難う御座いました.是からも応援してます (11月13日 6時) (
レス) @page48 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
えどしぐさ - めちゃめちゃよかったです！ 完結済みで内容もボリュームがあって最高でした。 (2022年12月31日 16時) (レス) @page48 id: e38a7a3eb0 (このIDを非表示/違反報告)
あいら(プロフ) - 普段はあんまりコメントとかしないんですけど、感動というか短編でこれだけの満足感のものに初めて出会えたのでコメント残し失礼します！続編など待ってます‥！！ (2022年12月18日 1時) (レス) @page48 id: 271541484a (このIDを非表示/違反報告)
へーか(ろうがいばばあ??)(プロフ) - 後追いですが最後まで読ませていただきました…めちゃくちゃ最高でした！！ニコさんにお願いなのですがもしよろしければ番外編としてその後とかも書いていただけませんか… (2022年11月10日 12時) (レス) @page48 id: 7be97545e8 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - ごりらさん» コメントありがとうございます。一気読みまでしていただけて嬉しいです！物語の登場人物たちと一緒にハラハラドキドキして楽しんでくださりありがとうございました！ (2022年8月22日 16時) (レス) id: 2adc685d91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニコ | 作成日時：2022年7月30日 20時
