優等生くんの裏の顔【knmc】

1:日常の中の非日常 ページ1

いつも通りの学校。
いつも通りの生活。
いつも通りの日常。

私の日々は平凡で彩られている。


今日もいつも通りの学校が終わり、少し教室で居眠りをしていた。
目が覚めると19時。わお。

結構寝てしまった。夏が近づいていると言えど暗い。


まあ仕方ない。帰ろう。


昇降口で靴を履き替え、校門を通り帰路へついた。


高校2年生の5月。高校に入って2年目だが青春を感じた事はなかった。
なんとなーく過ごしていたらいつの間にか2年生になっていた。
全く、時の流れははやい。



「はぁ〜、なんか非日常的なこと起こらないかなあ〜」



一人で歩きながらつぶやく。
いつも通りでしかない日常には飽き飽きだ。


何度目かもわからないため息をついた時、ガンッ！と大きな音が響いた。


「な、に…？」


現在19時すぎ。一応、夜に分類される時間だ。
平々凡々な私でもホラー耐性はない。

その音は目の前の高架下から聞こえてきた。


…え、今からここ通るんですけど……。


ここを通る以外の選択肢はない。
なぜなら高架下だからだ。
あ、高架下って知ってる？道路とか線路の下にある短いトンネルみたいなやつ。
運が悪いことに、私の通るこの高架下は普通のものとは違う。
無理やり道路の下に道を作っているから凹型になっている。
出入り口は下り坂、上り坂になっているのだ。


そう、つまり先が見えない。


「まじか…まじだよなぁ…」


通らない選択肢がほしい。
なぜ迂回ができないんだ！！


いやだなぁ、居眠りしなきゃよかった。


現実逃避タイムを挟みながらも覚悟を決める。




「…よっし」




できれば通りたくない。
でも通らなければ帰れない。
帰れないのはもっと嫌だ。


普通に歩けばいいものを、慎重に歩いてしまう。
足音を立てないように。息を殺して。


徐々に下り坂の先の景色が見えてくる。





「おーい、お兄さん。聞こえる？」





突然聞こえた声に、思わず歩みを止めた。
そしてなぜか柱の影に隠れてしまう。

なんで、なんで隠れた私。

…いや、それより。



「あちゃ、強く殴りすぎちゃったかな」



この声。聞き覚えがある。
というか聞き覚えしかない。




「起きてください。…おーい、起きろ」

2:しまった→

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