トリップしたら彼氏いた。【名探偵コナン】

十二日目 ページ12

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その後、この辺りの本屋、漫画喫茶等々5件ほどまわっても名探偵コナンは見つからなかった。


何時間、走り回っただろうか。
すでに、日は傾いてきており、空が赤く染まっている。


「足…パンパンだ……もう動けねぇ…」

交番近くの公園でベンチに座り、足を揉んで疲労を和らげようとするも、効果は無し。

そのままぐだぁーとベンチの背もたれにもたれ掛かった。


名探偵コナンがないだって？
……じゃあ、あの少年はいったいなんのコスプレをしてるんだ。
ただの子供だとしても似すぎだろ。

それに、蘭姉ちゃんや毛利先生…
……これって名探偵コナンのキャラクターだよな……







「…んあ"ー!!もう、わっかんねぇ!!」

俺は頭が良い方じゃないんだ。
難しいことも、ややこしいこともわかんねぇ。

ただ一つ、俺が分かるのは…ここが本物の世界だってこと。
夢なんかじゃない、現実だ。


だいたい、夢の中だってのに足が痛いなんて…ふざけるな。







………………帰ろう。

そう思って、ベンチから立ち上がるが、あることに気づき、またドスンと腰を下ろす。



「……家…どこだっけな……」

安室くんの車に乗っていて、ここに来るまでの道がわからない。
………くそ…分からないことだらけだ、今日の俺。


はぁ…と小さな溜め息をはき、混乱した頭を落ち着かせる。

「あ……安室くん。」

ふと、頭に思い付くのはポアロをもうすぐ出るだろう安室くん。

……安室くんに、連絡すればいいんじゃね!!

いや〜、溜め息すれば幸せ逃げるって言うけど良いこともあるもんだね!!



さっそくスマホを取りだし、安室くんに連絡をする。

『迷った。助けて。』

……これだけ言えばわかるかな？


『すぐ行きます。』

あ、わかったみたい。
…………すぐ来るって俺がどこにいるのか知ってるのか？



とりあえず、動いちゃダメだろう、
と思ったのでベンチから離れずにいると
突然、目の前が真っ暗になった。


「Aさん、見つけた。」


来るの早すぎだろ……安室くん。



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