【闇AU】愛され？愛すの間違いだろ【Undertale】

可笑しなニンゲン　ナイトメアside ページ6

「な…っ」

俺が話しかけると、そのニンゲンは口をはくはくとさせながら驚いていた。

(ふぅん、こいつがさっきネガティブを放出させたやつか)

舐めるように見渡すが、何処からどう見ても普通のニンゲンに見える。

…だが、こいつ、どっから来たんだ？

フリスクやキャラではないようだし、服もボーダーのダサいやつではない。

なんか、おしゃれな服だな。

とりあえず話しかけてみるか、と思い、未だ放心状態のそいつに話しかける。

「お前、どっから来たんだ？」

「ぅえっ、あ、えっと…？どっから？ち、地上から…？？？」

「それは何となく分かるわ。てか、なんでお前が疑問形なんだよ」

こいつ、なんでここに来たのか自分でもわかってないのか？

「あ、あの！これって夢ですか！！！！」

突然ズズッと顔を近寄せて問いかけてくるソイツ。

「おい、近づくな馬鹿」

触手で押し返すと、ソイツは恍惚の表情を浮かべた。

「はぅあっ…推しの、触手に…触れちゃった…」

「ぐ、っ…」

なんだ、今、こいつからポジティブな感情が…。

「じゃあ、これはやっぱり私の夢で…」

「待て待て」

自己完結し始めたソイツに制止をかける。

「ここはAUの狭間だ。夢なんかじゃねぇ」

そういうと急に青ざめるニンゲン。

あ、ネガティブ感情うめぇ。

なんだこいつ、急にポジティブになったと思ったらネガティブになるし、おもしれーな。

表情がコロコロと変わる眼の前のニンゲンに、少しずつ興味が湧いてきた。

「AUの、狭間…？じゃ、じゃあこれは私の夢でも、ナイトメアが見せてる夢でもないってこと…？というか天国でも地獄でもない…？」

「はァ…？」

何いってんだこいつ…。

というか、それより気になったことがある。

「おい、お前、なんで俺の名前を知ってるんだ？」

「…え？あっ…」

思わず言ってしまったと今更口を抑えるソイツは確実に俺を知っている。

「おい、答えろよ。お前一体何者なんだ？」

「あの、えっと…」

モゴモゴと口ごもるソイツに苛立ちを覚えた。

触手でソイツの首に絡みつき、持ち上げる。

「早く答えろ」

「っ、！？ぐ、ぅ…」

じわじわと締める力を強める。

……、あぁ、すっげぇネガティブを感じる。美味い。

小さい手でペチペチと触手を叩いてきたので、仕方なく触手を離す。

…その姿を見て改めて思う。ニンゲンって脆いな。

そのニンゲンはゴホッゴホッと大きく咳き込んだあとにこう叫んだ。

「私は貴方のことが大好きです！」

…は？

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