意識だけ ページ12
「それにしても、どうして私はそんなところに…」
うーんと首をひねらせていると、ドリームが教えてくれた。
「彼処は世界と世界の狭間。つまり不安定な空間なんだ。だから、もしかしたら、君の世界との波長みたいなものが合って、空間のズレが生じたのかもしれない」
世界の波長、空間のズレ、などなど。
聞き慣れない言葉に頭が破裂しそうになる。
えぇ…ここはSFの世界か何か…?
「とりあえず、Aちゃんがここに来るまでの経緯を教えてもらってもいい?」
「うん、わかった。実は……」
◯
◯
◯
「なるほどね…溺れて気絶して気がついたらここにいたと」
「うん…」
「それってどうなんだろう。Aちゃんは死んじゃってるのかな?」
インクに、あり得る中で一番恐ろしい可能性を示されて、背筋が凍る。
死んじゃってたらもう、アヤトにもお母さんにもお父さんにも会えなくなってしまう。
そんな私のネガティブを感知したのか、ドリームが一瞬顔を顰めた。
「大丈夫だよ、きっと。もしかしたら、気絶している間、空間のズレからAちゃんの意識だけがこちらにやってきてしまったのかもしれない」
意識だけが、こっちに…?
厨二病のようなことを言い出すドリーム。
けれどその目は至って真剣で、笑う気にはなれなかった。
「それって、寝ている間の私の夢だってこと?」
「うぅん…わからない。僕らにはたしかに意思があるから、明晰夢のようになっているってこと?」
「でも、それにしてはやけにリアルな夢だよね…」
「そうだね…」
議論に行き詰まって、部屋に重い沈黙が訪れる。
一番最初にその沈黙を破ったのはインクだった。
「まぁまぁ、難しい話は一旦無視してさ、Aちゃん、泊まるあてとかないよね?」
あぁ!確かに…。
どうしよう、でもずっとインクとドリームのところにお世話になるわけにもいかないし…。
うんうんと唸っていると、突然部屋の空気が変わった気がした。
インクもドリームも、どこか表情が険しい。
「インク?ドリーム?どうしたの?」
恐る恐る声をかけると、はっとしたドリームが叫んだ。
「Aちゃん危ない!!!!!!!!!!!!!!!」
「…へ?」
ドリームの言葉と同時に、背中に誰かの気配を感じる。
さっきまで、誰もいなかったのに…。
骨?でも誰が来たんだろう…。
ぐるぐると考え事をしていると、不意にピトリと、冷たい物が首に押し付けられる感触がした。
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ぺる(プロフ) - 好き過ぎてポッキー吹いた←← (2023年3月13日 13時) (レス) @page10 id: 64abccb79c (このIDを非表示/違反報告)
ぬんぬん(プロフ) - 夢主ちゃんの性格がまんま俺()めちゃくちゃ面白いです!更新がんばです! (2023年1月15日 1時) (レス) @page28 id: d25d8f5d3e (このIDを非表示/違反報告)
むぁ。(プロフ) - mariaさん» コメントありがとうございます!実際は多分お話みたいに綺麗には染まらず、赤黒かったり赤褐色だったりになってしまうのではないかな〜🤔なんて思っています(笑)あくまで妄想上ですのでお許しくださいませ…! (2023年1月14日 11時) (レス) id: c2c6d1f2f8 (このIDを非表示/違反報告)
むぁ。(プロフ) - こおりひめさん» コメントありがとうございます!共感していただいて嬉しいです!せっかくの夢小説ですから、夢主に自分を投影して楽しんでいただければなと…!クロスくんもメア様も素敵ですよね〜(*´ω`*)実際にあったら私も心で叫んじゃうかもしれません(笑) (2023年1月14日 11時) (レス) id: c2c6d1f2f8 (このIDを非表示/違反報告)
むぁ。(プロフ) - haa..さん» コメントありがとうございます!わ〜!そう言っていただけて嬉しいです!おっとhaa…さま!?そちらは天国でございますよッ!戻ってきてくださいませ!(笑) (2023年1月14日 11時) (レス) id: c2c6d1f2f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むぁ。 | 作成日時:2022年8月16日 16時