少年忍者短編 (ページ6)

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『あ、お姉さん』

バイト終わりで出てくるところだったんだろうか、俺がぶつかったのはお姉さんだった

制服じゃなくて私服で髪も下ろしているせいで全然気づかなかった

こういう服のテイストってなんていうんだろ、韓国ストリート？カジュアル？わからないけどすごく似合っててかわいい

「お兄さーん？」

『え？』

「いや、何か買いに来たんじゃないんですか？」

店内の方を指しながら首を傾けるお姉さんは

綺麗だった

『いや、お姉さんに会いに来たので買うものは無いです』

「え」

『今までもお姉さんに会うために来てました』

言っちゃった

気まずい沈黙が流れる

「あの、じゃあこれ一緒に食べながら話しませんか」

お姉さんがそう言いながら掲げたレジ袋の中エオ覗き込むとミニメロンパンとカフェオレとミルクティー

『メロンパン、、、』

「昨日も今日もお兄さんが来なかったからなんとなく気になって気づいたらメロンパン買ってました」

飲み物が2つなのはたまたまです、って笑いながら言う彼女は今日も姿勢が綺麗で

そんなことを言われたら期待してしまう

「そういえばお兄さん、名前は」

『、、、織山尚大』

「おりやま、なおね」

『お姉さんの名前は？いつも何時までバイトなの？てか連絡先知りたい』

自分でも驚くくらい言葉が止まらない

早くしないとお姉さんは消えていってしまいそうで

「ははっ、ずっと店の前にいるのもあれだし食べながらゆっくり話そうよ。時間はあるし」

お姉さんはそんな俺の不安な気持ちも飛ばしてしまうくらい、レジの向こうにいたときとは全く違う弾けた笑顔を浮かべる

そうやってコンビニの駐車場で始まった夜は、あっという間に明けてしまいそうだ

fin