少年忍者短編 (ページ26)

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「、、、いらないよ」

『、、、え？』

Aから出た言葉に驚いて思わず身体を離す

「ちょっと待ってて」

Aはそう言い残して自分の家に入っていった

少しの間待つとAは出てきて、その手には俺が今まで渡してきた封筒の束が握られてた

「これ、返すね」

封筒を渡されて戸惑う

中を見ると手はつけられてない

『え、、、？推し活に使うためのバイトじゃなかったの？』

「最初はそのためにバイトするつもりだった。けど、

けど、から詰まったAの次の言葉を待つ

「けど、本当は黒田くんが好きだったから、やめられなかった」

『、、、は？』

「ごめん。黒田くんにはそんな気持ちは無いってちゃんと分かってたし続けてちゃだめだって分かってたけど、その瞬間だけでも、黒田くんが好きって言ってくれて、抱きしめてくれるのが嬉しくて」

「ごめんね、きもいよね」

『きもくない！』

気づいたら叫んでまたAを抱きしめてた

「黒田、くん？」

『ごめん謝るのは俺の方。あの日、Aが好きだからバイトするのやめてって言えばよかったってずっと後悔してた』

『こんなこと続けてもAは俺のこと好きにならないって分かってたのにやめれなかった』

Aはそっかあ、と気の抜けた返事をして

「じゃあ黒田くんは、私のこと好きなの？」

体を離してAの目を見つめてちゃんと言う

『大好き。ずっと。だから俺と付き合ってくれませんか』

「うん、お願いします」

『、、、やっと俺の目見たね』

「ずっと見てるよ、黒田くんのこと」

俺たちが脆い関係なことに変わりは無いけど、昨日までよりは少しだけAが近づいた気がした

fin