少年忍者短編 (ページ23)

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脆い関係：黒田光輝ページ23

俺の家のリビングのソファに向かい合って座る

視線は合ってるはずなのにAはどこか遠くを見てるように感じる

『A、こっち見て』

「ずっと見てるよ？笑」

ちょっと困ったように笑った

それでもAの目は俺を見てない気がする

それが苦しくて悲しくて、深く口づけ始めた

窓の外はもう暗くなってきててAは脱ぎ散らかしてあった服を着始めた

自分もある程度に服を着る

『今日もありがと、これ』

「ありがとう。じゃあまたね」

Aに渡した可愛らしい封筒にはそのデザインには似つかわしくないお札が数枚入れてある

Aが玄関を出るのを見送って、カーテンの影からAが隣の家に入るのを確認して一息つく

Aとこういう関係になってもう一年くらい経つ

Aは家が隣のいわゆる幼なじみだけど関わりは全く無くて、話すようになったのは高校に入ってからだった

席が後ろだったAによく絡むようになって

最初は気まずそうだったAも段々打ち解けてきて、「クラスメイト」から「友達」には昇格していったと思う

いつも優しく笑って俺のノリに付き合ってくれるAを好きになるのにそんなに時間はかからなかった