少年忍者短編 (ページ21)

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湧とは最低でも月に一回から二回のペースでご飯に行く

それは昼だったり夜だったり、お酒は飲んだり飲まなかったり

学生ノリのまま何も考えずに話せる人だから

共通の友達には付き合わないのかってよく聞かれるけど一度もそういう目で湧を見たことは無い

きっとそれは湧も同じで、

私にとって湧は尊敬する人で憧れでもあって、でも一番の友達だから。恋人、なんてありきたりな関係にするにはもったいない

『そろそろお開きにするかー』

「だねー今日もありがとー湧ー」

『今日は俺が奢りの番だな』

湧が会計を済ますのを待って店の外に出る

さっきまでの店の暖かさは逃げていってピンと張り詰めた冷たい空気が頬を撫でる

いつもならだいたい店の前か最寄り駅とかで別れるんだけど

『今日結構遅くなったし家の近くまで送るわ』

「いや、湧が帰り危なくなるからいいよ。明るい道歩くし」

『いーから、黙って甘えとけー』

そう言われたので甘えることにして並んで歩く

『Aさあ、やっぱなんか悩んでるだろ？』

「え？」

『今日なんか元気ないもん』

寒そうにコートに顔を埋めながらなんでもないことのように言ってくる

でも。湧には面倒な性格って思われたくない

「ほんとに何にもないって。ちょっと疲れてたのかも、ほら今日金曜だし」

湧は何も言わずちらりとこっちを見た

『俺さみしいよ。だってAは俺の一番の友達なのに悩んでるときなんにも言ってくれないから』