少年忍者短編 (ページ19)

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「悠仁くんも先帰ってて？もうお昼休み始まっちゃうし」

『いや、いいよ』

もうクラスのみんなは誰も居なくて調理室に残ってるのは私と悠仁くんだけ

正直そこまで親しくない悠仁くんと二人きりは気まずい

すると悠仁くんがじっと私の目を見てくる

ちょっと気怠げな熱を帯びた目と視線が交わって、なぜか離せない

『、、、手繋いでるから照れてんの？笑』

空気を破るように悠仁くんはにやにやしながら言った

確かに、悠仁くんはずっと私の手を掴んだままだ

「はあ、、、ここまで上がった好感度が一気に下がったよ、、、」

『ははは！Aちゃん結構遠慮ないね？おもろ！』

水を当てている間、悠仁くんのボケに私がツッコむというのを繰り返していた

お昼休みの始まりのチャイムが鳴る

『そろそろいいかな、』

悠仁くんは私の手を離して水を止めた

「ごめんね、私の不注意で付き合わせちゃって」

『いや〜？別に〜？また痛かったら言ってね、保健室行こ』

悠仁くんってうるさいイメージしか無かったけど意外と優しいのかもしれない

『んじゃ、かえろ』

パスタの入ったタッパーを持って悠仁くんは歩き出した

それについて私も調理室から出たんだけど、

「え？」

『ん？何？』

「いや、手」

タッパーを持ってない方の手を急に私の手と繋いで歩き出した

『いいじゃん、さっきまでも繋いでたんだし、Aちゃんも嫌そうじゃ無かったし』

「いや、意味分かんないし、そっち教室の方じゃないよ？」

『うん、知ってる。中庭で一緒にパスタ食べよ』

悠仁くんは訳がわからない

『嫌ならいいけど』

私の手を握る力が弱まって、なぜかとっさに握り返してしまった

悠仁くんはにやって笑った

『じゃ、行こっか』

なぜかこの手を振り払えない、悠仁くんのあの熱っぽい目線が頭から離れないから

fin