少年忍者短編 (ページ17)

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調理実習：鈴木悠仁ページ17

今日は調理実習の日

同じ班には料理が上手な悠仁くんがいるから他の班の人たちに羨ましがられた

悠仁くんとはそんなに話したことは無いけどいつも元気でふざけてるイメージ

「悠仁！俺ら何すればいい？」

いつも悠仁くんとふざけて笑いをとってる星輝くんが元気よくきいた

『星輝は鍋に水入れて火かけて。山井はこれ洗って、Aちゃんはこれ切ってくれる？』

悠仁くんの言う通り私たちは動き出した

包丁を持ったはいいけど、どれだけ力を入れても野菜は切れない

『ちょっとAちゃんストップストップ！！そんな刃の入れ方しても一生切れないし、なんなら指切るよ！』

悠仁くんが焦りながら近づいてきて優しく私の手から包丁を剥がす

『こうやってやったら力入れなくても簡単に切れるから』

そう言いながら悠仁くんはトントントン、とリズミカルに野菜を切っていく

「すごい、、、魔法みたい。かっこいいね」

『え？』

悠仁くんは急に手を止めてこっちを見てきた

「悠仁！！なんか水めっちゃ増えてきたんだけど！どうしたらいいの！」

呼ばれてるのに悠仁くんはこっちを見たまま動かない

「悠仁くん？星輝くんが呼んでるよ？」

『え？』

「うわあ！」

星輝くんが見事に鍋を吹こぼした

他の班の人たちは悠仁くんを同情の目で見ている、そりゃそうだ

そのあとも悠仁くんは使い物にならない私たちの面倒を見るのにあちこち動き回って、無事パスタが出来上がった頃にはくたくたになっていた

「悠仁ありがとう！」

星輝くんと山井くんはほとんど悠仁くんが作ったと言ってもいいパスタを見ながら言った