正反対の彼 (ページ12)

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『あの、今日は一緒に駅まで帰りませんか』

シフトが終わってロッカールームから出ると皇輝さんにそう言われた

「はい、そうしましょう」

『え、ほんとに！？ありがとうございます！すぐ着替えてくる！』

敬語とタメ語の混ざったハチャメチャな日本語を残してドタバタ走っていった

『お待たせしました！』

「そんな待ってないですよ笑」

昨日の皇輝さんは何だったんだっていうくらい慌ただしい

並んで歩き出す

「昨日はタメ語だったし余裕そうだったのに今日はどうしたんですか笑」

『いや、昨日帰ってから、話しすぎたかな、うざかったかなって反省して』

「そんなことないです、皇輝さんの話し聞くの楽しかった」

『ほんとぉ？はぁぁよかった！』

また片えくぼを浮かべてふにゃって笑う

『あとは、初対面は平気なんだけど２回目に会うときって緊張して＿＿』

すっかり昨日の調子を取り戻した皇輝さんの話を聞いてたらあっという間に駅についた

どうやら皇輝さんの方向は反対みたいで、改札に入ってすぐ別れることになった

「じゃあ皇輝さん、お疲れ様でした」

『うん、、、あのさ！』

皇輝さんと反対方向に歩き出そうとした瞬間、皇輝さんに呼び止められた

「はい？」

皇輝さんに向き直ると少し顔が、というか耳まで赤い

『またシフト被ったときは一緒に帰ってくれる？』

不安そうに聞いてきた

「なんだ、そんなこと。皇輝さんのお話聴くの楽しいし、また一緒に帰ってください」

不安そうな顔で私の言葉を待ってた皇輝さんは太陽みたいな笑顔を浮かべて

『ありがとう！じゃあ気をつけてね！』

皇輝さんはすぐにくるりとホームの方へ消えていった

その日から皇輝さんとシフト終わりが被った日は一緒に帰るようになった