友達に勝手に履歴書送られたら受かったんだが？【2j3j】

【初配信】お前ら友達は選べ。 ページ5

地の文→語り
『』→フキダシのセリフ


『来ちゃったよ初配信。ったくあいつのせいでさあ…。ま、やりたい事と通じてはいるんだけど』


小さい頃から、人を心から楽しませてみたかった。
マジックでもピアノでもダンスでも、誰かが喜んでくれるなら何でもやった。


______だけど。



『え、見せ物……？オークション前の？』




小さい頃から父に任されていた仕事はオークション前の見せ物屋。とても表で売れないものを売りつける、うちの尊敬できない家業。


その時は子供で逆らえなかったこともあって、そして頑張ったら観客は笑顔になってくれる、楽しんでくれると思って全力で努力した。

…でも、誰も俺の事なんか見てなくて。


悲しいけれど、それが当たり前だと自分に言い聞かせて、やりたくもない見世物をして今まで生きてきた。




でも、友達に勝手に履歴書を送られて嫌々ながらも入ったここで、あいつらに出会えた。
自分のやりたい事をやるのが人生だと教えてくれた。
俺でも人を笑顔に出来ると言ってくれた。
何をするべきか分からない俺と一緒に考えてくれた。
そして、手を差し伸べてくれた。



お陰で家出も成功したし変われたし、新しい仕事も始める事ができた。


この仕事はショーが終わってもみんな笑顔。違う、逆だ。ショーをやったからみんなが笑顔になっている。
まだこれだけで食べていくのは難しくて、カフェでバイトしたり、依頼を手伝ったりもしているけれど、皆に笑顔を与えられる楽しさは想像以上だ。


そして、ライバー活動もそれの延長線上なら、やってみる価値は十分にある…かもしれない。



『…よし。エンターテイメント、始めるか！』






『ども、友達の人選ミスった裏オークション主催の息子、エンターテイナーの紫杏Aで〜す』

＞情報量多いｗ
＞イケメンんんんんん
＞待ってイケメン
＞わぁ〜


『最初に言いたい事がある。』

＞なに
＞深刻そうな顔


『お前ら……友達はぜっっっったいに選べ！！』

＞ｗ
＞何を言うかと思えばｗ


『これガチだからな？！ミスると俺みたいに何も知らないのにデビューする事になるぞ？！』

＞あなただけだよそれ
＞特殊例だよ


『とにかくいきなりはいこれがライバーのアレコレですよーって出されるのマジ大変だから！マジで！』

＞じゃあデビューしたくなかったとか？
＞それ嫌すぎん


『違う違う！今は楽しんでるから！わかれ！』

＞わかった
＞そんな焦らなくても笑

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