懐玉08 ページ10
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「ふむ?」
「“進化”。人でなくなりより高次の存在と成る」
「じゃあいいじゃん」
カックい〜なんて軽い言葉を言う五条に夏油は言った。
天元様曰く、その段階の存在には“意志”というものがないらしい。天元様が天元様ではなくなってしまう。
「最悪の場合、天元様が人類の敵となる可能性もある。
だから500年に一度、“星漿体”天元様と適合する人間と同化し、肉体の情報を書き換える」
『肉体が一新されれば術式効果も振り出しに戻る、“進化”は起こらない…ってことね』
そういうこと、と夏油は頷いた。
その夏油の頷きに五条は納得したらしい。まあ例えがゲームだったけど。そっちの方がわかりづらいだろ。なんであえてそっちに直していうんだ。
「その星漿体の少女の所在が漏れてしまった。今、少女の命を狙っている輩は大きく分けて2つ!!」
一つは天元様の暴走による現呪術界の転覆を目論む呪詛師集団『Q』という組織。ネーミングセンスねーな、その呪詛師集団の創設者は。と思ってしまったのは仕方のないことだと思う。
そしてもう一つが天元様を信仰崇拝する宗教団体盤星教『時の器の会』という組織。
「天元様と星漿体の同化は2日後の満月!!それまで少女を護衛し、天元様の下まで送り届けるのだ!!失敗すればその影響は一般社会までに及ぶ。心してかかれ!!」
「でもさー」
……という話を聞いたのは今から数分も前の話。
渡り廊下近くにある自動販売機で飲み物を買った二人が気だるそうに歩いている。
「呪詛師集団の“Q”は分かるけど盤星教の方はなんで
「崇拝しているのは純粋な天元様だ。星漿体…つまりは不純物が混ざるのが許せないのさ。だが盤星教は非術師の集団だ。特段気にする必要はない」
『てことは警戒すべきは“Q”っていうダサダサな組織ってことね』
「ダサダサって……お前ね…」
事実でしょ。てかこの案件、二人の方が向いている気がするんだけど。私、必要なのかな。いらないんじゃ…
「まぁ大丈夫でしょ。俺と傑は最強だし」
『……おい待て。それ遠回しに私のこと雑魚って言ってる?』
「事実ザコだろ?」
何言ってんだオマエ、みたいな顔でこっちを見てくる五条にいらっとした。
『こ、これでもそれなりに戦えるし!!』
「へいへい。そうですねー」
耳をほじくって、「あ、デカいミミクソとれた」とほざく野郎に一瞬殺意が湧いた。人の話きけよ!!
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山吹(プロフ) - 遊ちゃん_SKZさん» コメントありがとうございますー!!そう言っていただけるとやる気出ます笑。これからも頑張ります(`・ω・´)ムンッ! (7月9日 19時) (レス) id: 78370344d8 (このIDを非表示/違反報告)
遊ちゃん_SKZ(プロフ) - 一コメ!!無茶苦茶面白いです、今後が楽しみです応援してます〜!! (7月9日 16時) (レス) @page5 id: da0a08bcf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山吹 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Yamabuki00/
作成日時:2023年7月7日 1時