懐玉02 ページ4
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私の呪力でペンを持ち上げ紙にサラサラと書いて提示する私に彼は何も言わずにこめかみをぐーでぐりぐりし始めた。って痛い痛い痛い。
『ごめんなさい。嘘です。前髪とっても似合ってます。胡散臭くなんてないです。素敵です。きゃー、すぐちゃんいっけめーん!!』
「真顔で言っても説得力ないよ」
絵文字顔文字を駆使して夏油を褒め称えていると硝子に突っ込まれた。
「ねえ、千哩。笑って見せてよ」
キラキラとした瞳で見られ、私はその期待に応えようと笑ってみせる。
しかし、その瞬間、硝子の口角が引き攣った。
「うん、ごめん。私が悪かった」
謝られて頭を撫でてきた。解せぬ。
「セン、笑うのヘッタクソだなぁ!!」
ギャハハと笑う五条をド突きをかます夏油。
ド突きが見事に決まると胸がスカッとした。
ざまぁ、五条。
………という会話をしたのは今から数時間も前の話。
私と硝子の二人は廃墟に続く雑木林を歩いていた。
少し離れたところに廃墟が見える。あとちょっとだろう。と思ったら廃墟が何かの攻撃を受けたのか一瞬にして潰れた。
その光景を離れたところから見ていた私と硝子。
誰がしたかなんて、現場に行かなくてもわかる。
「……五条だな」
『五条しかいないよね』
私と硝子は同時に顔を見合わせ、ため息をついた。帷は自分で下ろすから、と先に急いでしまった最強二人組はもう現場に着いている頃だろう。じゃなきゃ廃墟を潰さない。
帷、下ろしてねーじゃん。バカ五条。
「……騒ぎになるね」
『そーだね』
私達はもう一度ため息をつき、急ぎ足で向かった。
廃墟だった場所に着くと冥さんと歌姫先輩がいた。
「歌姫センパ〜〜イ。無事ですか〜〜?」
『冥さん、お久しぶりです』
「おや。千哩じゃないか。久しぶり」
ぺこ、冥さんと歌姫先輩に頭を下げる。
「硝子!!それに千哩も!!」
「心配したんですよ。二日も連絡なかったから」
ヒラヒラと手を振る硝子。すると歌姫先輩がビューン!とこちらに走ってきて抱きついて来た。
「硝子!!千哩!!アンタはあの2人みたいになっちゃ駄目よ!!」
「あはは、なりませんよ。あんなクズ共」
『心配しなくても大丈夫ですよ、歌姫先輩』
ぽんぽん、と私は歌姫先輩の背中を撫でる。
「あーやっぱ呪霊の結界で時間ズレてた系?珍しいけどたまにあるよね。冥さんいるのにおかしいと思ったんだ」
「そのようだね。それはそうと君達“帳”は?」
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山吹(プロフ) - 遊ちゃん_SKZさん» コメントありがとうございますー!!そう言っていただけるとやる気出ます笑。これからも頑張ります(`・ω・´)ムンッ! (7月9日 19時) (レス) id: 78370344d8 (このIDを非表示/違反報告)
遊ちゃん_SKZ(プロフ) - 一コメ!!無茶苦茶面白いです、今後が楽しみです応援してます〜!! (7月9日 16時) (レス) @page5 id: da0a08bcf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山吹 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Yamabuki00/
作成日時:2023年7月7日 1時