懐玉15 ページ17
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「はぁ！？」
廉直女学院にある屋外プールにて。先生に電話する五条がありえないとばかりに声を上げた。
「さっさと高専戻った方が安全でしょ！！」
ここからだと五条の声しかわからないが、先生と揉めているのだけはわかった。はたして先生はどんな無茶振りを言ってきているのやら。
「ゆとり極まれりだな」
舌打ちを一つする五条はそう言うと乱暴に携帯を仕舞った。その表情はあいも変わらず不機嫌顔。そんな五条を宥めるように「そう言うな悟」と夏油が口を開く。
「ああは言っていたが、同化後、彼女は天元様として高専最下層で結界の基となる。友人、家族、大切な人達とはもう会えなくなるのさ。好きにさせよう。それが私達の任務だ」
「理子様にご家族はおりません。幼い頃事故で…それ以来私がお世話して参りました」
黒井さんはそこで一度区切ると深々と頭を下げる。
「ですからせめてご友人とは少しでもーー」
「それじゃあアナタが家族だ」
黒井さんの言葉を遮るように夏油が一言。
見かけによらずいいことを言うなぁ夏油。
思わずうんうんと頷いているとギュイン！と凄い勢いでこちらをみる夏油。その目は笑っていなかった。え、何怖い…
「今、失礼なこと考えなかった？千哩」
『いえ何も』
なんでこーゆー時だけ察しがいいんだ。さては夏油、第六感も持ち主か。めんど。やめてほしい。感覚は鈍いままでいてほしい。つか鈍くなれ。今すぐに。
「鈍ちんの千哩には言われたくないかな…」
何故私の心の声を知っているとギョッとする私に顔と一言答える彼。いや顔が何よ。それと今のセリフは聞き捨てならんのだけど。
『夏油、私が鈍ちんってどーゆーこと？私のどこが鈍ちんなの』
聞き捨てならんと目を吊り上げ夏油を睨む私に彼は「あー」と言いながら目を逸らす。その視線の先には「あ？」とばかりにこっちを見る五条がいた。
夏油と目が合ったのか五条はやや呆れ気味に一言。
「傑、こいつが鈍いのはいつものことだろ」
俺に話を振るなと嫌そうな顔をする五条に夏油は「それもそうだね」と意味深めに頷いた。だから私鈍ちんじゃねーって。失礼な奴らだな、全く。
「それよか傑、監視に出してる呪霊は？」
そういうと夏油はこめかみに手を当てた。
「ああ。冥さんみたいに視覚共有が出来ればいいんだけどね。それでも異常があればすぐにーー」
そこで夏油は言葉を止めた。
「悟、急いで理子ちゃんのところへ。２体祓われた」
続く
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山吹(プロフ) - 遊ちゃん_SKZさん» コメントありがとうございますー！！そう言っていただけるとやる気出ます笑。これからも頑張ります(｀･ω･´)ﾑﾝｯ！ (7月9日 19時) (
レス) id: 78370344d8 (このIDを非表示/違反報告)
遊ちゃん_SKZ(プロフ) - 一コメ！！無茶苦茶面白いです、今後が楽しみです応援してます〜！！ (7月9日 16時) (レス) @page5 id: da0a08bcf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山吹 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Yamabuki00/
作成日時：2023年7月7日 1時
