懐玉12 ページ14
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確かこの部屋だったはず。
ビルの最上階。扉を開けると異様な光景が目に入った。
呪霊にちゅーをせがまれているQの構成員Aと優雅に紅茶を嗜む夏油。その反対側には理子ちゃんとメイドさんが意識を失っていた。
いや、なにこれ……
ひくっと口角をひきつらせる私に夏油は存在に気付いたのか、やあっとばかりに軽く片手を上げる。
「千哩、どうしたの?悟は?」
『……五条なら一人で戦いたいからって追い出されましたけど何か?』
「ははっ。それは悟らしいね」
『……ところで、なにこれ。どういう状況?』
「ん?あぁ……捕獲」
だからってこれは流石に……ひくわ。
ちゅーを迫る呪霊って変態じゃん。何処で捕まえたの、ソイツ。
ドン引きする私に夏油はただ笑うだけで何も言わなかった。
「ごめんて!!マジごめん!!」
しばらく経って“Q”構成員Aが根を上げた。
「この件から手を引く!!呪詛師もやめる!!勿論“Q”もだ!!そうだ!!田舎に帰って米を作ろう!!」
「……?」
夏油は片手を耳に当て、なに?と耳をすませるポーズを取る。この至近距離なら聞こえているだろうに。
意外と夏油もお茶目なところがあるんだな。
……萌えはせんけど。
「聞こえてるだろ!!」
「呪詛師が農家が務まるかよ」
「聞こえてんじゃん!!」
……ほらやっぱり。あんたら仲良しか。
テンポのいい会話しやがって。
「あ、千哩。紅茶飲む?」
『あるの?なら飲もうかな』
「待ってて。今紅茶淹れてくる」
『悪いね、夏油』
気にしないで、と夏油は紅茶を淹れにキッチンへと向かった。こういうところが紳士だよなぁ、彼。
数分も経たないうちに戻ってくる彼は私に紅茶が入ったティーカップを差し出す。
「はい。熱いから気をつけてね」
『ありがとう』
「学生風情がナメやがって!!」
腹をくくったのか、呪霊を完全無視する構成員Aはビシィッと夏油を指差した。あ、今、呪霊に耳キスされた。
「だがここにはバイエルさんが来ている!!“Q”の最高戦力だ!!オマエらも、そいつらもーーー」
「ねえ」
夏油が構成員Aの言葉を遮り、ある画像を見せる。
「バイエルってこの人?」
「え?」
ここからじゃ画像は見えないが……想像つく。あの上から目線な物言いをしていた構成員Bのことだろう。
多分、ボッコボコに殴られたんだろうな…ドンマイ。
「……この人ですね」
うん、だと思った。
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山吹(プロフ) - 遊ちゃん_SKZさん» コメントありがとうございますー!!そう言っていただけるとやる気出ます笑。これからも頑張ります(`・ω・´)ムンッ! (7月9日 19時) (レス) id: 78370344d8 (このIDを非表示/違反報告)
遊ちゃん_SKZ(プロフ) - 一コメ!!無茶苦茶面白いです、今後が楽しみです応援してます〜!! (7月9日 16時) (レス) @page5 id: da0a08bcf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山吹 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Yamabuki00/
作成日時:2023年7月7日 1時