懐玉09 ページ11
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「悟」
星漿体がいるビルの近くにて。
のんびり歩く私達にふと夏油が五条の名を呼んだ。
「前から言おうと思っていたんだが一人称“俺”はやめた方がいい」
「あ"?」
突然何を言い出すかと思えば……そんなことを口に出す夏油に五条は目を見開いて威圧的な声を出した。
更に言えば飲み終わった缶を術式を用いてボールのような形にするあたり、本当に思いもよらないことを言われたんだろう、と察しられた。
だからってそれはやりすぎじゃ……
握り潰すならまだしも…いやそれもなしだな。
「特に目上の人の前ではね。天元様に会うかもしれないわけだし。“私”最低でも“僕”にしな。年下にも怖がられにくい」
……まあ、夏油の言っていることは正しい。
先生にも俺って言ってるぐらいだし……年下にも。あの夏油に懐いている灰原君はわからないけど、七海君は関わりたくない先輩ナンバーワンだろう、彼は。
ちょっかいをかけて、嫌がられている姿を見かけるので間違いない。
うんうん、と頷いていると五条は物凄く嫌そうな顔をした後、ふん!と鼻で笑った。
「嫌なこった」
嫌なんかい…そんな子供みたいなこと言うなよ……
人の忠告は素直に聞くものだと思うけど……まあ五条だもんな、そう簡単に聞くわけないか。五条だもんな…
はあ、とため息をついた……その瞬間、ビルの最上階の一室が爆発した。
「お?」
もくもくと上がる煙を見る私達は顔を見合わせる。
「これでガキんちょ死んでたら俺らのせい?」
『かもね』
「げぇ……それは勘弁……」
目を細めビルの最上階を見つめる五条は何かを見つけたのか、あっと声を漏らした。私と夏油もそちらを見て、あ、っと呟く。
“何か”が落下していた。形的に物じゃない、人だ。
大人ほどデカくなく、かと言って幼児ってほど小さくもない。同じぐらいの子供、いやあれは少女だろうか、制服をきている。遠すぎて見えないけど……
『あれは…』
星漿体・天内理子。っぽいな。
ちらっと五条を見ると五条はすぐに夏油の名前を呼んだ。
夏油も五条と同じ考えなのかまさに阿吽の呼吸で夏油は術式を展開する。何もない空間からマンタのような呪霊が出てきた。
夏油は呪霊に飛び乗ると理子さんを救出しに向かう。
『五条』
「とりあえず傑に任せておけ」
『まあそれはそうどけど…』
なんて会話をしていると夏油が理子さんを救出したのを確認した五条が笑みを浮かべた。
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山吹(プロフ) - 遊ちゃん_SKZさん» コメントありがとうございますー!!そう言っていただけるとやる気出ます笑。これからも頑張ります(`・ω・´)ムンッ! (7月9日 19時) (レス) id: 78370344d8 (このIDを非表示/違反報告)
遊ちゃん_SKZ(プロフ) - 一コメ!!無茶苦茶面白いです、今後が楽しみです応援してます〜!! (7月9日 16時) (レス) @page5 id: da0a08bcf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山吹 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Yamabuki00/
作成日時:2023年7月7日 1時