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Mサイド
営業が終わった店内で、一人静かにテーブルを丁寧にふきんで拭いてゆく。
洗い物と会計の整理を終えたところで、大野さんがスマホをいじりながらリビングに入ってきた。
「お疲れさん。悪いねぇ店任せちゃって」
「そう思うならちっとは働け」
乾いた雑巾を投げつけて、まだ拭き終わっていない皿を顎で示すと
大野さんはしぶしぶといった様子で椅子から立ち上がる。
俺は家計簿ノートに今月の収入を書き込みながら、口を尖らせて皿を拭く大野さんに尋ねた。
「翔さんとニノは？」
「情報収集始めてる。仕事が早いねぇあの二人は」
「……相葉さんは？」
「もう寝ちゃったよ、明日も配達あるし。……それに、ちょっと落ち着きたいんだろうね」
その言葉に寄り添うように浮かんだのは、依頼を聞いた時の相葉さんの表情だった。
複雑…とか、そんな言葉じゃ表せないようなモヤモヤが彼の心を掻き乱しているのだろう。
無理もない。
もう何年も前に3人もの子供を置いて出て行った父親に、弟が会いたいと言っているのだから。
「……相葉さん、どんな気持ちなのかな。俺一人っ子だから共感っていうか……どう声掛けたらいいのかわかんなくて」
「んー……まあ、今はそっとしておいてあげよう」
コーヒーカップを手際よく拭いて、大野さんはへにゃんと笑った。
皿と皿がぶつかる音が、静かなリビングによく響く。
俺は家計簿を書き終えると、仕方なく大野さんの作業の手伝いをした。
……こうやって甘やかすからいつまでたっても店長はサボリ魔になるんだ。
「大野さん、さ……ほんとに今回の依頼、受けてよかったの？」
「んー、相葉ちゃんには申し訳ないけど、でも雅広くん助けたかったし」
「そうじゃなくて。
……翔さんの、ことで」
小さく言葉を並べたつもりなのに、大野さんはそれでもびっくりするように、俺の顔をまじまじと見つめた。
「今回の依頼を受けるなら、必然的に相葉さんの過去を翔さんが知ることになるよね。
……それって、あんたは大丈夫なの？」
言葉を慎重に、慎重に
ドミノを並べるように、崩れないように、そっとそっと言葉を選んで
ようやく大野さんは納得したように目を見開いて
俺の頭をわっしと掴んで、笑った。
「っはっは！ お前いい奴だなあ！」
「う、うるせぇよ！ ちょっと気になっただけでっ」
「……大丈夫だよ。
翔くんにはいつか、話そうと思ってるから」
その手はまた、俺の頭をくしゃりと撫でた。
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花櫻(プロフ) - ゆいさん» いえいえ、こちらこそありがとうございます！(*^^*) これから少しずつ、5人の過去と繋がりを明らかにしていく予定です(にやり) 更新はゆっくりですが、どうか応援よろしくお願いします！ メリークリスマス！笑 (2016年12月25日 19時) (
レス) id: 69bc2f5e0e (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - ゆいです！花櫻さんに覚えていただけて、光栄です！相葉くんの過去と、翔くんがこれからどんな行動に出るのか、とっても気になります！更新楽しみにしてますね！そして‥‥メリークリスマス(^ ^) (2016年12月25日 9時) (レス) id: 2b88837529 (このIDを非表示/違反報告)
花櫻(プロフ) - ゆいさん» 覚えてますよ〜！笑 コメントありがとうございます(*^^*) 今回のお話の中心は相葉ちゃんです☆ ぜひぜひ楽しみにしていただければ嬉しいです！ (2016年12月18日 21時) (レス) id: 69bc2f5e0e (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 花櫻さん！ゆいです！覚えてますか？（笑）今回もまた愛読者の1人として読ませていただきました！相葉くんにも、いろいろな過去があるようですね‥‥これから5人がどのようにして向き合っていくのか。楽しみにしてますね！！！ (2016年12月18日 19時) (レス) id: 2b88837529 (このIDを非表示/違反報告)
花櫻(プロフ) - cloverさん» はじめまして！コメントありがとうございます(*^^*) そこまで言っていただけるなんて、とっても嬉しいです…！ 近頃亀更新で本当に焦っていたので、cloverさんの言葉に少し安心しました(´∀｀) 今後もできる限りが 頑張りますので、どうか応援よろしくお願いします！ (2016年11月30日 7時) (レス) id: 69bc2f5e0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花櫻
| 作成日時：2016年10月7日 23時
