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Sサイド
電車に揺られながら、さっきの話をゆっくりと再生していた。
言葉を一つ一つ噛みしめるように、松潤の過去を見つめるように。
……どんな気持ちだったんだろう、松潤。
俺も部活はやっていたけど、射撃に関しては苦労がなかったから、彼の気持ちに共感してあげられない。
「俺は翔さんのこと尊敬してるよ。
立場とか批判とか……逆境を受け入れて、それでも進もうとしてる。
……かっこいいなって、いつも思うんだ」
いつか松潤はそう言ってくれた。
……でも俺だって、立ち止まってしまう時はあるよ。
座り込んで、うずくまって、全部塞ぎ込んで
誰かの助けがどうしようもなく必要になる時が。
・
講義を終えてキャンパス内の小さな中庭で本を読んでいると
「いた！ 櫻井くーん」
「よ、櫻井。久しぶり」
背後から、聞き馴染んだ声。
振り返ると、友人の山田と御村が爽やかな笑顔で歩み寄って来た。
ベンチに置いていたカバンを退けて、二人分のスペースを空ける。
「ありがと」と言って隣に腰掛ける御村には、育ちの良さを感じさせる上品さがあった。
「山田から聞いた。バイト始めたんだって？」
「うん、喫茶店で」
「櫻井くんがお金に困ってるようには見えないけど、なんで？」
山田の言葉にうっと言葉が詰まる。
「うーん……まあ……人手が足りないから来てくれないかって言われて」
……あながち間違いではない。
「店長にナンパとも取れる勧誘をされたからです。ついでにバイト先で生活してます」なんて言うよりはマシだ。
山田と御村とは学部が違う。
サークルが同じとはいえ、プライベートで会うことはあまりないから、バイト先がバレる心配も多分ないだろう。
「そっか。……まあでも、お前が楽しそうでよかったよ」
「ふふっ、どした？ らしくないこと言っちゃってさ」
中庭の木々の葉と共に、俺たちの頬が風にそっと撫でられる。
それに吊られたんだろうか。御村がそっと微笑んだ。
それは普段のクールなイメージからは想像もできないような、優しい微笑み。
「だってお前の顔、前よりもずっと明るくなってる」
嬉しそうに山田もうんうんと頷く。
……なーんだそれ。変なの。
……変、だけど。
『おいで、しょーくん』
そう言ってくれるあの空間が、少しずつ、確実に
俺の居場所になっているのだと思うと
ちょっとだけ、嬉しかった。
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花櫻(プロフ) - ゆいさん» いえいえ、こちらこそありがとうございます！(*^^*) これから少しずつ、5人の過去と繋がりを明らかにしていく予定です(にやり) 更新はゆっくりですが、どうか応援よろしくお願いします！ メリークリスマス！笑 (2016年12月25日 19時) (
レス) id: 69bc2f5e0e (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - ゆいです！花櫻さんに覚えていただけて、光栄です！相葉くんの過去と、翔くんがこれからどんな行動に出るのか、とっても気になります！更新楽しみにしてますね！そして‥‥メリークリスマス(^ ^) (2016年12月25日 9時) (レス) id: 2b88837529 (このIDを非表示/違反報告)
花櫻(プロフ) - ゆいさん» 覚えてますよ〜！笑 コメントありがとうございます(*^^*) 今回のお話の中心は相葉ちゃんです☆ ぜひぜひ楽しみにしていただければ嬉しいです！ (2016年12月18日 21時) (レス) id: 69bc2f5e0e (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 花櫻さん！ゆいです！覚えてますか？（笑）今回もまた愛読者の1人として読ませていただきました！相葉くんにも、いろいろな過去があるようですね‥‥これから5人がどのようにして向き合っていくのか。楽しみにしてますね！！！ (2016年12月18日 19時) (レス) id: 2b88837529 (このIDを非表示/違反報告)
花櫻(プロフ) - cloverさん» はじめまして！コメントありがとうございます(*^^*) そこまで言っていただけるなんて、とっても嬉しいです…！ 近頃亀更新で本当に焦っていたので、cloverさんの言葉に少し安心しました(´∀｀) 今後もできる限りが 頑張りますので、どうか応援よろしくお願いします！ (2016年11月30日 7時) (レス) id: 69bc2f5e0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花櫻
| 作成日時：2016年10月7日 23時
