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Sサイド
松潤が出て行ってから1時間ほどして、眠そうに目をこすりながらニノがリビングに入ってきた。
昨日遅くまでパソコンゲームに没頭していたらしい。
智くんはまだぐっすり。相葉くんも早朝の新聞配達を終え、再び布団の中に入ったばかりだ。
喫茶店の休業日は、どうやらお寝坊さんらしい。
「潤くんはトレーニングですか？」
「うん。ついでに知り合いに例の野球の件お願いしてみるってさ。俺も午後から講義あるから、何人か頼んでみるよ」
「イケメンツートップは働き者だねぇ」
ニノは眠気の混ざった声でぼやくと、昨日の晩ご飯の残りの白身魚のフライをわっさわっさと噛み砕く。
……朝から白身魚かよ。
俺のツッコミに気付くはずもなく
片手にフライ、片手にスマホを持ったままニノは俺と同じテーブルの椅子に腰かけた。
「……ま、今回の依頼に関しては潤くんも特別に思ってるでしょうからね」
その一言に、新聞から顔を上げる。
目が合ったニノは珍しくハッとして、少しだけ苦い顔をした。
「そっか。翔ちゃんは潤くんの高校の時の話……聞いたことないんだっけ」
「うん……何かあったの？」
複雑そうにうーんと唸って、ニノはだらんともたれる。
少し強くなった日差しが、カーテンの隙間から差し込んできた。
梅雨はまだ続いているけれど、今日の予報は晴れだった。
「……潤くんが、高2の頃の話です」
・
潤くんは野球部のエースだった。
小学生の頃から培われたその技術は、部ではもちろん地元でも抜きん出ていた。
弱小校だったその高校は潤くんをピッチャーに起用した瞬間、瞬く間に強くなり
都大会で3回戦進出した時には、それはそれは大騒ぎになった。
『八塩から高校球児が生まれるかもしれない』
そんな噂が団地を駆け巡り、みんなが期待していた。
……だけど、都大会の準決勝で
潤くんのデッドボールにより、打者が大怪我を負った。
その日は悪天候でボールも足元も滑りやすく、潤くんの球は大きく逸れて相手の目元を直撃したという。
相手は網膜裂孔、失明には至らなかったものの、選手生命を絶たれることになってしまった。
彼を崇めるようだった周囲は手のひらを返して潤くんを責め立てた。
「お前のせいだ」「怪我を負わせた罪人」「夢を奪った」
そんな言葉で罵倒され、罪を背負わされた潤くんは
野球部をやめて、その後もボールには一切触れていない。
ニノは、淡々とそう語った。
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花櫻(プロフ) - ゆいさん» いえいえ、こちらこそありがとうございます！(*^^*) これから少しずつ、5人の過去と繋がりを明らかにしていく予定です(にやり) 更新はゆっくりですが、どうか応援よろしくお願いします！ メリークリスマス！笑 (2016年12月25日 19時) (
レス) id: 69bc2f5e0e (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - ゆいです！花櫻さんに覚えていただけて、光栄です！相葉くんの過去と、翔くんがこれからどんな行動に出るのか、とっても気になります！更新楽しみにしてますね！そして‥‥メリークリスマス(^ ^) (2016年12月25日 9時) (レス) id: 2b88837529 (このIDを非表示/違反報告)
花櫻(プロフ) - ゆいさん» 覚えてますよ〜！笑 コメントありがとうございます(*^^*) 今回のお話の中心は相葉ちゃんです☆ ぜひぜひ楽しみにしていただければ嬉しいです！ (2016年12月18日 21時) (レス) id: 69bc2f5e0e (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 花櫻さん！ゆいです！覚えてますか？（笑）今回もまた愛読者の1人として読ませていただきました！相葉くんにも、いろいろな過去があるようですね‥‥これから5人がどのようにして向き合っていくのか。楽しみにしてますね！！！ (2016年12月18日 19時) (レス) id: 2b88837529 (このIDを非表示/違反報告)
花櫻(プロフ) - cloverさん» はじめまして！コメントありがとうございます(*^^*) そこまで言っていただけるなんて、とっても嬉しいです…！ 近頃亀更新で本当に焦っていたので、cloverさんの言葉に少し安心しました(´∀｀) 今後もできる限りが 頑張りますので、どうか応援よろしくお願いします！ (2016年11月30日 7時) (レス) id: 69bc2f5e0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花櫻
| 作成日時：2016年10月7日 23時
