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Nサイド
「……さくらい、くん？」
次の瞬間部屋の電気がぱっと点いて
ケースに入ったままのライフルを抱えた櫻井くんが、倒れた男の上に乗っかっていた。
「二宮さん、大丈夫ですか！？」
「あ……うん。……！ っ、うしろ！！」
刹那、もう一人の男がナイフをぶんと振り回す。
櫻井くんはそれを軽々と避けて、俺の前に庇うように立った。
そして、サークル用のリュックから取り出したのは……
「___動くなよ」
ピストルだ。
相手がひゅっと息を飲み込む。
状況はこっちのほうが不利なのに
悠然と銃を構える櫻井くんは、ただただ勇ましく、何よりも恐ろしかった。
「……大人しく退け。もう二度とこんなことをしないと約束するなら、警察にも通報はしない。
だけど、まだ暴れる気があるなら……」
カチり、と引き金に手をかける音が響いた瞬間
男たちはひっと肩を上げて、ナイフを捨てた。
「もっ、もうしません！ すみませんでした！！」
バタバタと音を立てて、二人の男は去ってゆく。
……しん、と
訪れた平和に一瞬だけ動揺する。
次に振り返った時、櫻井くんはとても慌てた顔で
「ケガ、ありませんか！？」
って、さっきの悍ましい姿を跡形もなく消し去って聞くもんだから、俺は思わず笑ってしまった。
「大丈夫ですよ。おかげさまでかすり傷一つありません」
「ならよかった……うちから物音が聞こえたんでおかしいなって思ったんですよ」
にへらっと笑う櫻井くんは、すごく頼もしく見えて
さっきまでの自分が、随分情けなく思えた。
「……いつもみたいに冷静でいられたら、キッチンから包丁掴んで脅すぐらいできたんですけどね。
……思ってる以上にびっくりしてたみたいです」
あぁ、やっぱり、俺は。
なんだかんだで怖いんだ。自分よりも大きな存在が。
いつも情報を握って、有利なはずの俺が
相手に圧倒されるその日が、怖くて仕方がないんだ。
すっげえ情けないじゃん、俺。
________ふわり。
自嘲気味に笑った俺の手に、温かい熱。
「………俺は料理も出来ないし、接客業もまだまだだし、できないことの方が多いです。何の役にも立てません。
……だけど、皆さんの背中を守ることはできます。」
櫻井くんの手は、細くて白くて、どこか頼りない。
「小さい頃から武器を握って来たから。
それが俺ができる、唯一のことだったから。
だから……
_____武器を持つのは、俺だけで充分です。」
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花櫻(プロフ) - さとさん» ありがとうございます！ 実際持ってるところ想像したらかっこいいですよね〜(´∀｀*) 更新頑張ります☆ (2016年9月24日 22時) (
レス) id: 69bc2f5e0e (このIDを非表示/違反報告)
花櫻(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます！これからどんどんかっこよくなっていきますよ〜！笑 更新遅くなってしまうかもしれませんが、今後ともよろしくお願いします♪ (2016年9月24日 22時) (レス) id: 69bc2f5e0e (このIDを非表示/違反報告)
さと(プロフ) - 拳銃持つ翔さんがカッコよすぎるよ(^o^)/ 二宮さんも照れ隠しは半端ない！ 次回も楽しみにしています(^ ^) (2016年9月24日 22時) (レス) id: c9a4fb71b6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 今回もとっても面白かったです！少し気まずい雰囲気だった、ニノと翔ちゃんの仲が縮まってよかった〜笑 「背中を守る」なんて、またかっこいい言葉！次も楽しみに待ってますね！ (2016年9月24日 21時) (レス) id: 2b88837529 (このIDを非表示/違反報告)
花櫻(プロフ) - ひまりさん» ありがとうございます！お久しぶりです♪ 更新遅くなってしまうかもしれませんが、気長ーに待っていただければ嬉しいです笑 よろしくお願いします！ (2016年9月20日 21時) (レス) id: 69bc2f5e0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花櫻
| 作成日時：2016年6月6日 23時
