〜ハッカーの背に〜 ページ35
Sサイド
夜の八塩に、無機質な電話のコール音が響く。
ベランダの柵にもたれた俺は、スマートホンを耳に当てて、相手が電話に出てくれるのを待っていた。
『＿＿もしもし？ お前から電話掛けてくるなんて珍しいな。いっつもライン既読無視するくせに。
なんだなんだ、告白か？ あいにく俺はそういう趣味はない……と言いたいところだが、お前の言葉なら少しは考えてやってもいいぞ』
「すみません、やっぱり切ってもいいですか？」
適当にあしらった俺に、電話の相手……岡田先輩は、ふふっと笑みをこぼす。
『冗談だって。何だよ』
「……ちょっといろいろあって、手を怪我しました。少しの間だとは思うんですけど、サークルの練習に出られないこともあるかもしれないです」
左手には、この上なく丁寧に巻かれた包帯。
そんなに大袈裟なものじゃないけれど、ナイフでモロに刺されたのだから一応様子を見た方が良いと松本さんに言われた。
『大丈夫か？ ……まあ、大会もまだ先だしな。
お前、最近けっこう無理してただろ？ 丁度良い。ちょっと休め』
返って来た声は、意外にも優しかった。
『その代わり、今度会ったら尻掴みの刑な』
「うげっ……」
『今、大野のところで働いてるんだって？ 大野から聞いたよ。
「しょーくん最高」って言ってたぞ』
それは純粋に嬉しい。
基本何を考えているのか分らない人だけれど、
バイト先の店長に褒めてもらえるのは、喜ばしいことだ。
『頑張れよ。そこの定員、良い奴ばっかだからな。ついでに親睦深めとけ』
「……はい」
それだけ言って、通話は終わった。
タイミングを待っていたように、窓を開けて松本さんがベランダに足を踏み入れる。
「櫻井さん、荷物の整理終わりましたか？」
「ええ、おかげさまで。……でも、本当に良いんですか？ ここで生活させてもらうなんて」
「大野さんが言い出したことは替えられませんよ。
それに、俺も嬉しいですから」
ふわっと笑った松本さんは、少し照れくさそうに空を見上げた。
「……あの、櫻井さん。俺年下だし、これから一緒に生活するんだから……俺のこと、名字で呼ぶのやめませんか？ ついでに敬語も」
「…じゃあ、俺のこと相葉くんみたいに『翔ちゃん』って呼んでください。
……そしたら俺も『松潤』って呼ぶよ」
松本さんはびっくりした様子で
だけど、どこか嬉しそうだった。
「じゃあ……よ、よろしく…翔さん」
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花櫻(プロフ) - さとさん» ありがとうございます！ 実際持ってるところ想像したらかっこいいですよね〜(´∀｀*) 更新頑張ります☆ (2016年9月24日 22時) (
レス) id: 69bc2f5e0e (このIDを非表示/違反報告)
花櫻(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます！これからどんどんかっこよくなっていきますよ〜！笑 更新遅くなってしまうかもしれませんが、今後ともよろしくお願いします♪ (2016年9月24日 22時) (レス) id: 69bc2f5e0e (このIDを非表示/違反報告)
さと(プロフ) - 拳銃持つ翔さんがカッコよすぎるよ(^o^)/ 二宮さんも照れ隠しは半端ない！ 次回も楽しみにしています(^ ^) (2016年9月24日 22時) (レス) id: c9a4fb71b6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 今回もとっても面白かったです！少し気まずい雰囲気だった、ニノと翔ちゃんの仲が縮まってよかった〜笑 「背中を守る」なんて、またかっこいい言葉！次も楽しみに待ってますね！ (2016年9月24日 21時) (レス) id: 2b88837529 (このIDを非表示/違反報告)
花櫻(プロフ) - ひまりさん» ありがとうございます！お久しぶりです♪ 更新遅くなってしまうかもしれませんが、気長ーに待っていただければ嬉しいです笑 よろしくお願いします！ (2016年9月20日 21時) (レス) id: 69bc2f5e0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花櫻
| 作成日時：2016年6月6日 23時
