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「んで、恥ずかしくなって猛ダッシュで帰ってきたのか」


「……はい」


「素直じゃないな」


「……ほっといてください!」




あれから俺は、親父の返事も聞かずに、驚く母さんを無視して家を飛び出して帰って来た。




自分の部屋に戻ればいいのに、なぜか無意識に潤くんの部屋に駆け込んだのは

きっと、この感情をぶちまけないと落ち着かないと判断したからだろう。




「翔さんに、見舞いついでに話しに行ったんじゃなかったのかよ」

「いや……行ったんだけど、翔ちゃんが『俺はもう知ってるから、お父さんと話し合いな』って……」


「なんで翔さんが知ってんだよ」

「親父が話したんだってさ」





……今考えれば、親父がこんな昼間に帰って来たのも、翔ちゃんが手を回してくれていたのかもしれない。








「……翔さんとニノの親父さんって、どういう関係?」


「よく分からないけど……親しい仲だとは思うよ。親父が自分の都合を他人に話すなんて、滅多にないことだろうから」




なんだか急に疲れた気分になって、ひとつ伸びをすると

ここが潤くんの部屋であることも忘れて、床にごろりと寝転がる。








「親しい仲、か……」





シミが広がっている、ボロアパートの天井。


あの綺麗な一軒家に足を踏み入れた瞬間、
このアパートのことばかりが、頭に浮かんだ。









「…………潤くん」


「ん?」



「……今更だけど、ありがとう。引っ越して来た時、声をかけてくれて」







不安と諦めと、絶望の気持ちでいっぱいだったあの時。





学校や部活が楽しいと思えるところへ


翔ちゃんや大野さんと出会えた場所へ


親友という関係へ




笑顔で、手を引いてくれたから。






「……そういうことは相葉さんに言ってよ。俺は何も」


「素直じゃないですね」


「……ほっとけ」

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花櫻(プロフ) - ふうかさん» ありがとうございます…! メイキングの山コンビが最大級にきゅんきゅんしました(笑)翔くんの衣装がすっごいよかったです♪ (2015年3月8日 22時) (レス) id: 268cdfb6c7 (このIDを非表示/違反報告)
ふうか - 花櫻さん» 謝るでしたね(汗)すいません! (2015年3月8日 1時) (レス) id: 621223be2b (このIDを非表示/違反報告)
ふうか - 花櫻さん» 誤らなくていいですよ^^sakuraのpvの出だしから翔くんが出てきたのでテンション上がりました!メイキングのナレーターは『はじめてのおつかい』の方でしたね!試験お疲れ様です! (2015年3月8日 1時) (レス) id: 621223be2b (このIDを非表示/違反報告)
花櫻(プロフ) - あーるさん» ありがとうございます!テスト終わって本当に嬉しいです!更新頑張ります! (2015年3月7日 23時) (レス) id: 268cdfb6c7 (このIDを非表示/違反報告)
花櫻(プロフ) - ふうかさん» いつも待たせてしまって、本当にすみません!!せっかくコメントいただいてるのに…!本当にすみません! pv良かったですね♪山カットが多くて(笑)ピカンチのDVDもゲットしました!めっちゃ良かったです♪ (2015年3月7日 23時) (レス) id: 268cdfb6c7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花櫻 | 作成日時:2015年1月8日 22時

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