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Sサイド
【爆発まであと 0：07：37】
……怖くて、目を閉じた。
耳を突き破るような銃声が襲ってきた。
・
・
＿＿＿＿＿でも
違う。これは、俺の銃声じゃない。
ゆっくりと目を開けると
みんなはまだ、俺が撃ったと思い込んで
目を閉じて俯いている。
銃声は、俺のすぐ隣から。
放たれた弾は、スタジオの壁にめり込んでいた。
「＿＿＿＿さ……とし、くん……？」
吉本さんのものとはまた別の拳銃を両手で構えて
その先を、吉本さんにまっすぐ向けている。
掠れた声で呼ぶと、智くんは俺の方を向く。
その顔は、悲しみや怒り……
複雑な感情が入り混じったもの。
「……大野さん？」
「リーダー……なんで……！？」
ようやく気づいたみんなが小さく、驚きの声を零す。
「なんで……なんでお前が、二挺目の銃を持っているんだ……！？」
「……ごめんな、翔くん。……俺、知ってた」
「え……？」
智くんは、驚きで動けないでいる吉本さんをよそに
俺の前にしゃがんだ。
「今は時間がないから、詳しい事はあとで話す。
…………それよりも、さ」
拳銃を足元に落として、俺の手をそっと握る。
さっきまでがたがたと震えていたそれは
智くんの手の中でも、止まらない。
「なんでさっき、撃とうとした」
「え……」
「なんで、さっき、自分を犠牲にしようとした」
手を握る強さが、ぎゅっと強くなる。
俺をまっすぐに見つめる智くんの目が、怒っている。
でも、俺を握る手はあったかい。これは、智くんの温もり。
「約束したじゃんか、みんなで。
絶対、みんなで逃げてやるって。
みんなで生きようって。
……四人が助かったって、翔くんが死んじゃったら、意味ないんだよ」
さっきまで揺れていた心が、その言葉で吹き飛ばされる気がして
その安心感に、涙が零れる。
「……ごめん…………ごめんなさい……」
「バカやろ……なんであんなことしようとした」
怖かった。
俺がただ、みんなに不幸を与えるだけの存在であったように思えて。
それでも、命を差し出せば、みんなを助けられる気がして。
「ごめん……」
「……無事だったんなら、いい」
そっと引き寄せられた智くんの腕の中が
あったかくて、優しくて
涙が止まらなかった。
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山にのあい(プロフ) - すごく感動しました。とても良い作品です泣 (2016年2月22日 16時) (
レス) id: 3c4616375b (このIDを非表示/違反報告)
花櫻(プロフ) - 彩佑実♪arsさん» ありがとうございます！本番で落ち着いて、いつも通りの自分が出せたらきっと大丈夫ですよ！ 生意気言ってすみません(^_^;) 応援していますね！ (2016年2月18日 16時) (レス) id: 1f16760700 (このIDを非表示/違反報告)
彩佑実♪ars(プロフ) - 合格おめでとうございます！ 私は明日私立、3/3公立なので頑張ります＾＾ 新作楽しみにしています♪ (2016年2月15日 19時) (レス) id: 977b44e406 (このIDを非表示/違反報告)
花櫻(プロフ) - ひなさん» いえいえ！楽しみにしていただけてすごく嬉しいです(*^_^*) 新作もよろしくお願いします！ (2016年2月14日 18時) (レス) id: 268cdfb6c7 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - そうだったんですか汗はやとちりすいません！焦らずやってください(._.`)受験おつかれさまでした(^^) (2016年2月14日 17時) (レス) id: 287a42e902 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花櫻
| 作成日時：2015年6月9日 22時
