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Sサイド
【爆発まであと 0：17：36】
俺と吉本さんは、家が近所で
小さい頃からよく一緒に遊んだりしていた。
4つ年上だった吉本さんは
いつも親切で、まるでお兄さんみたいな存在だった。
……そんな吉本さんが、どうして、なんで、なにがあって
俺が何をして、こうなってしまったのか。
「櫻井さん、覚えてます？ ……僕の父が、妹が、死んだ日のこと」
「え……」
「もう10年以上も前のことですよ。……あなたは忘れているのかもしれないですけど……！！」
「……っ」
傷口を踏みつける足が止まって
今度は胸倉をつかまれる。
踏まれ、再び開いた傷口から溢れる血が
視界の隅でじわりと広がるのが見えた。
「僕以外の家族が、旅行に行っていたんですよ。
僕はその時、あなたの撮影で遠くに行くことになって、行かなかったんですけどね。
……その時、家族が乗っていたバスが大きな事故にあったんです。
その連絡を聞いて、急いで病院に向かおうとしたけれど
……周りのプロデューサーやスタッフは、それを許してくれなかった」
吉本さんの目が、悲しみに揺れる。
それを目の当たりにしてしまうと
傷口の痛みも、殺意に対する恐怖も
一瞬、どこかへ消え去っていく気がした。
「どうしてもって、お願いしますって。
何度頭を下げても、許してくれなかったんですよ。
……その時、その人達は何て言ったと思います？
『櫻井さんを見習え』
『櫻井さんが頑張ってるのに抜けがけする気か』って……！
……結局、病院には向かえなくて、父と妹は死んだんです」
ぎりぎりと、吉本さんが歯を食いしばる音が聞こえる。
胸倉をつかむ手が、怒りで震えている。
「おい、それで翔くんを恨むっておかしいだろ……！ そんなの……」
「黙れ！！」
叫んだ智くんの懐に、容赦ない蹴りが入れられる。
「智くん……うわっ！！」
よそ見をした瞬間
吉本さんの手が、今度は俺の喉元を強く掴んで
そのまま地面に叩きつけられた。
＿＿＿苦しい。息が、できない。
「＿＿＿＿っは、」
「芸能人ってのはそんなに偉いんですか？ 家族の命をも奪っても？」
「は……よ、しもと……さ……」
「助かった母は精神的にボロボロになって、今でも通院してるんですよ」
「……や、め……はなし、て……」
「その母が、テレビであなたを見る度、何て言うと思います？
『翔ちゃん、立派になったね』って、苦しそうに笑うんですよ」
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山にのあい(プロフ) - すごく感動しました。とても良い作品です泣 (2016年2月22日 16時) (
レス) id: 3c4616375b (このIDを非表示/違反報告)
花櫻(プロフ) - 彩佑実♪arsさん» ありがとうございます！本番で落ち着いて、いつも通りの自分が出せたらきっと大丈夫ですよ！ 生意気言ってすみません(^_^;) 応援していますね！ (2016年2月18日 16時) (レス) id: 1f16760700 (このIDを非表示/違反報告)
彩佑実♪ars(プロフ) - 合格おめでとうございます！ 私は明日私立、3/3公立なので頑張ります＾＾ 新作楽しみにしています♪ (2016年2月15日 19時) (レス) id: 977b44e406 (このIDを非表示/違反報告)
花櫻(プロフ) - ひなさん» いえいえ！楽しみにしていただけてすごく嬉しいです(*^_^*) 新作もよろしくお願いします！ (2016年2月14日 18時) (レス) id: 268cdfb6c7 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - そうだったんですか汗はやとちりすいません！焦らずやってください(._.`)受験おつかれさまでした(^^) (2016年2月14日 17時) (レス) id: 287a42e902 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花櫻
| 作成日時：2015年6月9日 22時
