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Oサイド
【爆発まであと 0：20：43】
「はなせっ……はなせよ！！」
何度抗っても、大人二人に抑えられたら身動きもとれない。
ここじゃ、俺の声が届かない。
「自分を、殺す……みんなが……死ぬ……」
翔くんは消えそうな、小さな声で何度もそう呟く。
……そして、ただ黒光りするその凶器をじっと見つめている。
だめだ。あれじゃ、翔くんが死んじゃう。
他人が関わったら、翔くんは自分を犠牲にしてしまう。
……いつか、翔くんが言っていた。
『俺はみんなの命と自分の命どっちがいいって聞かれたら
みんなの命をとるよ』
『嬉しいけどさぁ……そんなこと言わないでよ〜』
『けっこう本気だよ？ 智くん。』
＿＿＿＿俺はそれくらい、みんなが大切だから。
・
「翔さん、絶対だめだ！ そんな理不尽な選択……」
「ちょっと黙っててもらえます？」
吉本さんが右手を上げると
松潤を押さえつけていたスタッフが
その脇腹を何度も、容赦なく蹴る。
「ぐっ……！ やめろっ……」
「松潤！！」「潤くん！」
ドスリ、ドスリと重い音が
動けない俺たちをゆっくりと追い詰める。
……翔くんの目が、悲しみと迷いに揺れる。
その唇から「やめて」と零れた言葉に、吉本さんは右手を下した。
それと同時に、松潤を蹴る足も止まる。
「決断していただきました？」
またにこりと笑って翔くんに近づく吉本さんと
もう逃げようともしない翔くん。
……抑えられた俺たちは、それをただ見ることしかできない。
「…………なんで？」
「え？」
「なんでこんなことするんですか！？ あなたは……そんな人じゃなかったはずです！」
ようやく顔を上げた翔くんの大きな目には
今にも零れそうな涙がたまっていた。
それを見た吉本さんは、不快そうに顔を歪めて
ゆっくりと、足を上げると
「＿＿＿＿っあ”あ”あ”！！！」
翔くんの足の傷口を、ぐりぐりと踏みつけた。
「翔くん！！」
「おい、吉本やめろ！！」
「はなせっ……はなせよ！」
「てめぇ……っ！！」
抗う俺たちを、それでもスタッフは力づくで押さえつける。
「ぅあ……っやめ……」
「なんでって？ そんな人じゃないって？
……はは、ふざけんな。
俺をこんな風にしたのはお前だろう？」
怒りを押し殺すような吉本さんの目は
……なぜか、悲しそうに見えた。
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山にのあい(プロフ) - すごく感動しました。とても良い作品です泣 (2016年2月22日 16時) (
レス) id: 3c4616375b (このIDを非表示/違反報告)
花櫻(プロフ) - 彩佑実♪arsさん» ありがとうございます！本番で落ち着いて、いつも通りの自分が出せたらきっと大丈夫ですよ！ 生意気言ってすみません(^_^;) 応援していますね！ (2016年2月18日 16時) (レス) id: 1f16760700 (このIDを非表示/違反報告)
彩佑実♪ars(プロフ) - 合格おめでとうございます！ 私は明日私立、3/3公立なので頑張ります＾＾ 新作楽しみにしています♪ (2016年2月15日 19時) (レス) id: 977b44e406 (このIDを非表示/違反報告)
花櫻(プロフ) - ひなさん» いえいえ！楽しみにしていただけてすごく嬉しいです(*^_^*) 新作もよろしくお願いします！ (2016年2月14日 18時) (レス) id: 268cdfb6c7 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - そうだったんですか汗はやとちりすいません！焦らずやってください(._.`)受験おつかれさまでした(^^) (2016年2月14日 17時) (レス) id: 287a42e902 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花櫻
| 作成日時：2015年6月9日 22時
